2023年01月25日 18:40
国立研究開発法人国立国際医療研究センター(NCGM)と公益財団法人東京都医学総合研究所、国立大学法人東京大学医学部附属病院は24日、NCGM国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センターの細澤麻里子主任研究員らの研究グループが、思春期前期(10歳ごろ)の孤独感は、その程度によらず、16歳までの自殺関連問題(自殺念慮や自傷行為)のリスクを高めることを明らかにしたと発表した。【新井哉】
細澤主任研究員や東京都医学総合研究所の社会健康医学研究センターの西田淳志センター長、東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻臨床神経精神医学講座の笠井清登教授らの研究グループは、東京近郊の思春期児童を縦断調査している東京ティーンコホートのデータを利用し、2002年から04年までの間に生まれた一般思春期集団3,165人を対象に、孤独感に関する質問紙評価を繰り返し行い、10歳から16歳までの孤独感の経過別の予測要因や、16歳までの自殺関連事象(自傷行為と自殺念慮の経験)との関連を分析した。
その結果、思春期の孤独感は、その経過パターンで4群に分類された。多くの児(77%、2,448人)は思春期を通して孤独感が低い群に分類されたが、少数ながら持続的に孤独感を感じている群、10歳時点で中程度の孤独感を感じ、年齢とともに孤独感が軽減したり、増大したりする群があった。
子どもの性別、出自、健康状態、家族構成、家庭の社会経済状況などの予測要因のうち、「10歳時にいじめられた経験がある」「養育者の心理的負荷が高い」ことが、持続的に孤独感を感じている群や孤独感が増大した群の主な予測要因であった。
持続的に孤独感を感じている群は、孤独感が低い群と比べて、16歳までの自傷行為のリスクが約6.0倍、自殺念慮を抱くリスクが約2.5倍高いことが判明。また、10歳時点で中程度の孤独感を感じていた二群についても自傷行為や自殺念慮のリスクが約2-3倍高いことが明らかになった。思春期前期(10歳ごろ)のいじめ対策や養育者のメンタルヘルスを支援することが、思春期を通した孤独感の軽減や、その後の自殺関連事象の軽減につながる可能性が示唆されたという。
細澤主任研究員や東京都医学総合研究所の社会健康医学研究センターの西田淳志センター長、東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻臨床神経精神医学講座の笠井清登教授らの研究グループは、東京近郊の思春期児童を縦断調査している東京ティーンコホートのデータを利用し、2002年から04年までの間に生まれた一般思春期集団3,165人を対象に、孤独感に関する質問紙評価を繰り返し行い、10歳から16歳までの孤独感の経過別の予測要因や、16歳までの自殺関連事象(自傷行為と自殺念慮の経験)との関連を分析した。
その結果、思春期の孤独感は、その経過パターンで4群に分類された。多くの児(77%、2,448人)は思春期を通して孤独感が低い群に分類されたが、少数ながら持続的に孤独感を感じている群、10歳時点で中程度の孤独感を感じ、年齢とともに孤独感が軽減したり、増大したりする群があった。
子どもの性別、出自、健康状態、家族構成、家庭の社会経済状況などの予測要因のうち、「10歳時にいじめられた経験がある」「養育者の心理的負荷が高い」ことが、持続的に孤独感を感じている群や孤独感が増大した群の主な予測要因であった。
持続的に孤独感を感じている群は、孤独感が低い群と比べて、16歳までの自傷行為のリスクが約6.0倍、自殺念慮を抱くリスクが約2.5倍高いことが判明。また、10歳時点で中程度の孤独感を感じていた二群についても自傷行為や自殺念慮のリスクが約2-3倍高いことが明らかになった。思春期前期(10歳ごろ)のいじめ対策や養育者のメンタルヘルスを支援することが、思春期を通した孤独感の軽減や、その後の自殺関連事象の軽減につながる可能性が示唆されたという。