東京工業大と東京医科歯科大は19日、2024年度中の実現を目指している統合後の新たな名称を「東京科学大学」（仮称、略称：科学大）とすると発表した。10兆円規模の大学ファンドで国が支援する国際卓越研究大学について、東京医科歯科大の担当者は、「認定申請するかどうかも含めて検討中だ」と話している。【松村秀士】

　新大学の名称を巡っては、22年11月25日から12月8日にかけて両大学のウェブページで受け付けたところ、6,000件を超える提案があった。それらを参考にしながら、設置したワーキンググループでの審議などを経て決定した。

　東京工業大と東京医科歯科大は22年10月、新しい1つの大学に統合することで基本合意を締結。24年度のできるだけ早い時期の統合を目指している。

　統合は、両大学のこれまでの伝統と先進性を活かしながら新しい大学の在り方を創出するのが目的。1つの大学を選択した理由は、「医歯理工学」の連携による新たな研究教育や人材育成などのシナジーの創出が容易になるほか、失敗を恐れずチャレンジできる組織を一から作ることができると判断したため。

　新大学の目指す姿として、▽東京工業大と東京医科歯科大の先鋭的な研究のさらなる推進▽部局などの垣根を越えた連携による「コンバージェンス・サイエンス」の展開▽総合知に基づき未来を切り拓く高度な専門人材の輩出▽イノベーションを生み出す多様性、包摂性、公平性を持つ文化の醸成－を掲げている。