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医療・介護ニュース

在宅酸素吸入引火事故10カ月間で死亡・重症6件-厚生労働省が集計公表、喫煙が原因のケースも

2023年01月16日 20:05

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 厚生労働省はこのほど、在宅酸素療法に関する重篤な健康被害事例を公表した。在宅で主に肺の病気の治療に使う「酸素濃縮装置」などの使用中に引火したとみられる火災事故について取りまとめたもので、2022年1月から10月までの10カ月間で患者の死亡が4件、重症(火傷)が2件あった。厚労省は、患者やその家族らに対し、たばこなどの火気の取り扱いに気を付けるよう呼び掛けている。【新井哉】

 厚労省が公表したのは、日本産業・医療ガス協会の集計で、被害状況や原因などが記載されている。それによると、死亡・重症の計6件の原因(推定を含む)に関しては、「不明」が4件、「喫煙」「カスコンロ引火」がそれぞれ1件だった。

 酸素濃縮装置は、室内の空気を取り込んで圧縮し、酸素を管で患者に送る仕組み。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺結核の後遺症など、呼吸が困難になる疾患の患者が在宅で生活するために使われている。

 厚労省は、高濃度の酸素を吸入中に、たばこなどの火気を近づけるとチューブや衣服などに引火し、重度の火傷や住宅の火災の原因となると指摘。患者らに対し、▽使用中は装置の周囲2メートル以内に火気を置かない▽酸素を吸入中はたばこを絶対に吸わない▽医師の指示通りに酸素を吸入する-といった注意事項を挙げている。

出典:医療介護CBニュース