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医療・介護ニュース

コロナ恐怖尺度、日常生活の支障判断基準値を提案-筑波大の太刀川教授らが調査データ解析

2023年01月13日 20:10

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 国立大学法人筑波大は13日、同大医学医療系の太刀川弘和教授らが新型コロナウイルス恐怖尺度(Fear of COVID-19 Scale:FCV-19S)のカットオフ値を提案したと発表した。【新井哉】

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大下におけるメンタルヘルスの悪化は大きな問題となっており、その要因の1つに新型コロナウイルス感染症への恐怖があると考えられている。

 FCV-19Sは、新型コロナウイルス感染症への恐怖を測る尺度の代表的なものだが、「この尺度が何点以上あれば問題があると言えるのか」(カットオフ値)に関する知見は不足していた。今回の研究では、2.5万人規模の大規模全国アンケート調査のデータを用いてカットオフ値の妥当性を考察した。

 アンケートでは、性別や年代といった情報に加え、新型コロナウイルス感染症への恐怖により日常生活に支障を来しているかを尋ね、FCV-19Sやケスラーの心理的苦痛尺度(K6)を測定。得られた情報を解析した結果、FCV-19Sの合計点21点以上(最大35点中)をカットオフ値とすることが妥当であると考えた。「カットオフ値を用いてCOVID-19への恐怖に関する理解を深めることは、コロナ禍におけるメンタルヘルス問題への対策において重要」との見解を示している。

出典:医療介護CBニュース