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医療・介護ニュース

滋賀の県立病院「直ちに経営形態見直す必要ない」-県が専門部会の取りまとめを公表

2022年11月22日 19:50

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 滋賀県は21日、県立病院の経営形態のあり方検討専門部会の取りまとめを公表した。現行形態でしっかり取り組みが進み、成果が上がるのであれば、「直ちに経営形態を見直す必要はないと判断した」としている。【新井哉】

 総合病院、小児保健医療センター、精神医療センターの県立3病院では、「県民の命を守り健康を支える拠点」として高度な医療を提供するとともに、一般の医療機関では対応が難しい政策医療や不採算医療を担い、3次保健医療圏を対象とした拠点病院としての役割も果たしている。

 例えば、精神医療センターでは、県内唯一の依存症専門医療機関として。アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症に対して高度専門医療を提供しているほか、医療観察法病棟も設置している。

 取りまとめでは、「経営形態を検討する上で重視すべき視点」として、▽医療従事者の安定確保▽医療の充実▽経営強化▽職員のモチベーション-を挙げている。

 経営形態を検討する中で、指定管理は「引き受け手の確保や運営の継続性の面で課題がある」、公務員型の地方独立行政法人は「非常に特殊であり、総務省においても想定されていない」とし、選択肢になり得ないと判断。非公務員型の地方独立行政法人についても、「自由度や裁量が広がり、組織としての意思決定が行いやすくなるという点において利点が認められるとの意見があった一方、経営形態を変えればそれだけで何かが変わるわけではなく、経営形態を変えることによって、組織の本質的な部分が変わる契機とすることが重要との意見もあった」と説明している。

 また、新型コロナウイルス感染症や病院統合など今後2-3年の間にさまざまな不確定要素があるため、今後の取り組みを中期計画に具体的に落とし込み、PDCAサイクルを回しながら進捗状況や成果を確認し、「一定期間経過後に改めて経営形態の見直しについて検討すべき」との考えも示している。

出典:医療介護CBニュース