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医療・介護ニュース

機能強化加算の見直しに慎重姿勢、森光医療課長-2020年度診療報酬改定で

2019年09月20日 05:05

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 厚生労働省保険局の森光敬子・医療課長はCBニュースの取材に応じ、「かかりつけ医機能」を整備している診療所や中小病院が算定する機能強化加算について、「この加算の算定対象を絞るべきかどうかは論点になりにくい」と述べ、2020年度診療報酬改定での対象患者の見直しに慎重な姿勢を示した。また、入院医療への評価では、急性期一般入院料1からの転換の受け皿となる入院料2や入院料3の算定要件を見直す必要性を示唆した。【松村秀士、兼松昭夫】

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 森光氏は、20年度に予定されている診療報酬改定に関するCBニュースのインタビューに応じた。

 機能強化加算は、「かかりつけ医機能」を持つ医療機関が行う的確で質の高い初診への評価として、18年度の改定で新設された。地域包括診療加算など「かかりつけ医機能」への評価とされる診療報酬を診療所や許可病床200床未満の病院が届け出ると、初診患者の初診料に一律で80点を上乗せできる。健康保険組合連合会が行った診療報酬明細書(レセプト)の分析では、この加算を算定しているかどうかによって患者の病気やけがの構成に大きな差がないことなどが分かり、健保連は、生活習慣病の患者に絞るなど20年度改定での算定要件の見直しを求めている。

 これに対して森光氏は、CBニュースのインタビューに、機能強化加算について、「サービスへの評価ではなく、『かかりつけ医機能』を発揮できる体制整備への評価なので、算定対象を絞るべきかどうかは論点になりにくい」と述べた。

 また、18年度に新設され、年明けから凍結されている妊婦加算については、20年度の改定で運用を再開するのではなく、妊娠中や出産直後の女性が安心できる医療体制の在り方を議論する必要性を強調した。新たな名称や算定対象を中央社会保険医療協議会で議論する。

■「看護必要度IIのみ」が足かせか

 入院医療への評価では、18年度改定の前に7対1入院基本料を算定していた病棟の大半が、改定後は7対1相当の急性期一般入院料1に切り替え、転換が進んでいないことが、中医協の「入院医療等の調査・評価分科会」の調査で明らかになっている。

 森光氏は、「急性期一般入院料2や入院料3では、DPCデータを測定に使う『重症度、医療・看護必要度II』しか認められていない。これが転換の足かせになっているのかもしれないし、病院経営の観点から入院料2や入院料3に魅力がないのかもしれない」と述べ、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の修正だけでなく、入院料2や入院料3へのてこ入れを20年度に向けて検討する考えを示した。

※インタビューの一問一答はこちら

出典:医療介護CBニュース