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医療・介護ニュース

飲酒リスク、ガイドライン構成・記載の考え方示す-厚労省、検討会構成員が各国の飲み方など説明も

2022年10月31日 17:59

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 厚生労働省は、31日に開かれた飲酒ガイドライン作成検討会の初会合で、新たに作成するガイドラインの構成や記載項目の考え方を示した。来年3月にガイドライン案を取りまとめた後、アルコール健康障害対策関係者会議の意見聴取を経て、厚労省がガイドラインを策定する見通しだ。【新井哉】

 第2期アルコール健康障害対策基本計画(2021-25年度)では、飲酒量によるリスクなど、具体的で分かりやすい「飲酒ガイドライン」を作成するとしていた。検討会では、基本計画に記載のある、▽飲酒量▽飲酒形態▽年齢▽性別▽体質-などによるリスクについて、どのように記載するのかを考えていく。

 この日の会合では、構成員の議論に先立ち、池原賢代構成員(大阪大大学院医学系研究科特任准教授)が「飲酒ガイドラインの策定に向けたエビデンスの現状分析研究」(厚生労働科学特別研究事業)を説明した。この研究は、各国の飲酒に関するガイドラインの飲酒量や飲み方などをまとめたもので、例えば、米国は「1ドリンク=純アルコール14g」で、男性が「2ドリンク/日以下」、女性が「1ドリンク/日以下」、オーストラリアは「1ドリンク=純アルコール10g」で、「男女とも10ドリンク/週未満」といった差異があることを示した。

 各国のガイドラインに関しても、「妊娠中、妊娠を計画している場合、赤ちゃんへのリスクを最小限にするための最も安全な方法は、飲酒しないことである」(英国)、「アルコールフリーの飲料とアルコール飲料を切り替えて飲む。良い模範を示し、酔わないようにする(特に子どもの前で)」(ニュージーランド)、「高中性脂肪、膵臓の炎症、肝疾患、特定の血液疾患、心不全、uncontrolledな高血圧の家族歴があるなどの健康状態の人は飲まない」(シンガポール)といった内容を取り上げている。

 検討会の構成員からは、作成するガイドラインに「休肝日」などを記載するよう提案があった。また、アセトアルデヒドの代謝が悪い人を区別したり、エビデンスに基づいて説明したりすることなどを求める意見も出た。11月28日に予定している第2回検討会で、ガイドラインの記載項目・内容などについて意見交換を行う予定。

出典:医療介護CBニュース