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医療・介護ニュース

地域に選ばれる病院、鍵は「PFM」-董仙会理事長・神野氏、都内で講演

2022年10月27日 14:00

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 社会医療法人財団董仙会理事長の神野正博氏は東京都内で講演し、地域の住民から選ばれる病院になるには「ペーシェント・フロー・マネジメント」(PFM)を導入し、外来時からの患者の入退院支援を強化すべきだと述べた。また、医療従事者の働き方改革や病院経営の観点から、クリティカルパスをつくることも重要だとの考えも示した。【松村秀士】

 PFMは、予定入院患者の基本的な情報を入院前に集めておくことで、退院への問題解決に早期に着手できるとともに、病床の管理を合理的に行えるようになる仕組み。病院がこれを導入することで、患者がより安心して受診できるほか、医療従事者の業務負担が軽減されたり、病院経営の改善につながったりするなどの効果が期待されている。

 神野氏は、「これからは医療だけではなく、介護や在宅も含めてPFMをきちんと構築する時期に来ている」とし、その導入が地域住民から選ばれるための鍵を握ると強調。また、PFMを取り入れて外来時から入退院支援を強化するには、権限のある司令塔機能や職能別の連携がポイントになるとも説明した。

 医療従事者の働き方改革については、「単に医師らの労働時間の管理だけでなく、仕組みを変える必要がある」と神野氏。その方法の1つとして、病院経営の観点からもクリティカルパスをつくることを勧めた。

 コロナ禍の影響で、日本でも患者の受療行動が大きく変わった。例えば、新型コロナウイルスの感染が拡大している昨今では、いったん入院すれば面会はオンラインでしか行えないため、自宅での療養を希望する患者が増えているという。

 神野氏は、「以前と比べて患者の価値観が変わってきていることを認識すべきだ」と指摘。新型コロナの収束後も元には戻らない可能性が高いことを前提に、将来の病院の在るべき姿を考える重要性を強調した。

 講演は、「時代に合わせて進化し続け、選ばれる病院へ」がテーマで、「ホスピタルマネジメント・ジャパンサミット」(マーカスエバンズ主催)で行われた。

出典:医療介護CBニュース