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医療・介護ニュース

医師の勤務環境「改善されない」過半数-24年度以降も、メディウェル調査

2022年08月24日 16:15

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 医療機関向けの経営コンサルティング業「メディウェル」(札幌市中央区)が会員の医師を対象に行った調査によると、時間外労働の上限が罰則付きで規制される2024年4月以降も勤務環境が「改善されない」と過半数の医師が答えた。改善されない理由としては、「そもそも医師数が足りない」「時間外労働を年1,860時間まで認める例外規定があるため」などが挙がった。【兼松昭夫】

 また、「主たる勤務先」(週5日以上勤務)での当直・日直を除く時間外労働の時間は、「残業時間なし(月0時間)」と「月10時間未満(月0時間以外)」が共に18%を占めた。以下は「月10時間以上20時間未満」14%、「月40時間以上50時間未満」10%などの順。「月100時間以上」も4%いた。

 「主たる勤務先」での勤務時間に対する認識を病院勤務医に聞くと、「あまり長いとは感じていない」37%、「長くはなく現状で問題ない」30%、「どちらかというと長いと感じている」23%などの順だった。

 20歳代から70歳代以上までの年代別では「長くはなく現状で問題ない」の割合が、年代が高くなるにつれて高くなり、20歳代の18%に対して70歳代以上では60%を占めた。

 一方、「主たる勤務先」以外でのアルバイトは69%が実施し、日勤帯の勤務日数は「月1日以上3日未満」が最高の33%だった。これに対し、当直帯は「月0日(なし)」が58%を占めた。

 時間外労働の上限が罰則付きで規制される24年4月以降、医師の勤務環境の改善が進むかどうかを聞いた質問では、「あまり改善されないと思う」が41%、「改善されないと思う」が16%で、これらを合わせると「改善されない」が57%を占めた=グラフ=。

 医師の働き方改革に関するアンケートは、メディウェルに会員登録している医師を対象に6月20-30日に実施し、2,002人から有効回答があった。

出典:医療介護CBニュース