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医療・介護ニュース

覚せい剤再犯者率上昇、治療と社会復帰支援を強化-厚労省、5カ年戦略フォローアップ概要を公表

2019年09月06日 18:25

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 厚生労働省は6日、関係閣僚で構成する薬物乱用対策推進会議が取りまとめた第5次薬物乱用防止5カ年戦略のフォローアップの概要を公表した。上昇を続ける覚せい剤事犯の再犯者率を踏まえ、「薬物乱用者に対する適切な治療と効果的な社会復帰支援をこれまで以上に強化する必要がある」としている。【新井哉】

 同会議が2018年8月に策定した5カ年戦略では、薬物乱用者に対する適切な治療と効果的な社会復帰支援による再乱用の防止を目標に掲げている。都道府県・政令指定都市における薬物依存症の専門医療機関、治療拠点機関の選定を推進することや、認知行動療法を用いた治療・回復プログラムのさらなる充実・普及を図る方向性が示されている。

 フォローアップの概要によると、この目標に関して、薬物依存症治療を実施する医療機関の整備を図るとともに、医療従事者の依存症治療に対する専門的な能力の向上と人材養成を実施。また、精神保健福祉センターや保健所などでの薬物依存症者の回復支援や家族に対する支援を行ったという。

 「当面の主な課題」も挙げている。東京オリンピックを契機として来日外国人の増加が見込まれることに触れ、「今後、旅客に紛れた密輸入事犯が更に増加することも十分予想される」と指摘。国内外の関係機関が連携を強化して薬物の密輸入を阻止する必要があるとした。乱用者に対する治療と社会復帰についても、関係機関が連携して強化を図る必要性を挙げている。

出典:医療介護CBニュース