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医療・介護ニュース

将来的な「成果報酬払い」検討、厚労科学研究班-入院医療に、診療報酬体系の課題解決の具体案

2019年09月06日 14:35

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 厚生労働省は5日の中央社会保険医療協議会の「入院医療等の調査・評価分科会」で、厚労科学研究班がまとめた「中・長期的な入院に係る評価体系」のイメージ案を公表した。新たな評価体系として、病床機能ごとの基礎的な評価を行った上で、患者の状態への評価や成果に応じた評価などを掛け合わせるというもので、この案に強い反対意見は出なかった。研究班は、入院医療機能の適切な評価指標などの研究を引き続き行う予定だ。【松村秀士】

 厚労省は4月25日の同分科会で、入院医療機能の適切な評価指標や測定方法を、従来の指標以外を含めて中・長期的に研究・検討することを提案した。これを踏まえて、研究班が適切な評価や評価手法を提案するために研究を進めており、診療報酬体系の課題解決に向けた具体案として入院医療に関する評価体系のイメージをまとめた。

 研究班がイメージするのは、▽病床機能ごとの基礎的な評価▽医療内容の評価(係数化)▽患者状態の評価(同)▽早期の回復など成果に応じた評価―の4つを掛け合わせた評価体系。

 このうち、医療内容の評価では、その評価項目を盛り込むほか、同じ病床機能内の相対評価を行ったり、連続値で評価したりする。

 また、患者状態の評価では、患者の状態に伴うケアの有無(業務量)を評価する項目を入れるほか、医療機能の違いによって差が出ないよう全ての医療機能について同一の基準で加算評価をする。成果に応じた評価では、医療の成果としての患者の状態の変化などを評価する項目を盛り込む。ただし、この評価は「将来的に検討」としている。

 意見交換では、神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)が、新たな評価体系の案に賛同した上で、「成果に応じた評価をどうするかが一番大きな議論になる。今のところ案はあるのか」と述べた。

 これに対して、研究に携わる林田賢史委員(産業医科大病院医療情報部部長)は、「患者状態を良くすればいいという形のものを評価できればと思っている」と答えた。

出典:医療介護CBニュース