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医療・介護ニュース

B肝ウイルス受容体の胆汁酸輸送体の立体構造解明-AMEDが発表、感染研などの研究グループ

2022年05月24日 09:20

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 日本医療研究開発機構(AMED)はこのほど、国立感染症研究所治療薬・ワクチン開発研究センターの渡士幸一治療薬開発総括研究官などの研究グループが、B型・D型肝炎ウイルス感染受容体の胆汁酸輸送体(NTCP/SLC10A1)の立体構造を世界で初めて明らかにしたと発表した。研究の成果は、英科学雑誌「Nature」に掲載された。【新井哉】

 B型肝炎ウイルスの持続感染者は世界で約2億6,000万人、日本国内では約100万人いると推計されている。B型肝炎ウイルス感染を原因とした肝がんなどの肝臓疾患の発症は、世界で毎年80万人以上の死亡要因となっているが、B型慢性肝炎を完治できる薬はなく、B型肝炎ウイルスを体内から完全に排除する効果的な治療法の開発が求められている。

 渡士治療薬開発総括研究官と横浜市立大大学院生命医科学研究科の朴三用教授、理化学研究所生命機能科学研究センターの白水美香子チームリーダー、京都大の野村紀通准教授らの研究グループは、クライオ電子顕微鏡単粒子解析で抗体フラグメントが結合したB型肝炎ウイルス/D型肝炎ウイルス感染受容体NTCPの立体構造を明らかにした。

 B型肝炎ウイルス/D型肝炎ウイルスエンベロープのLタンパク質のpreS1(N末端領域)と肝細胞表面に存在する胆汁酸輸送体(NTCP)が相互作用することで、ウイルスが細胞内に侵入して感染が成立する。このため、NTCPは、抗B型肝炎ウイルス/D型肝炎ウイルス治療薬の重要な創薬の標的になっている。

出典:医療介護CBニュース