2022年05月23日 11:35
国立研究開発法人国立成育医療研究センターはこのほど、同センター生殖医療研究部の阿久津英憲部長らの研究グループが、ヒトiPS細胞由来の腸管立体臓器「ミニ腸」を使い、腸管組織の新型コロナウイルス変異株の感染性や増殖性、伝播効率を検証したと発表した。【新井哉】
検証の結果、デルタ株では、腸管上皮細胞の顕著なウイルス増殖と、それに伴う細胞傷害性、炎症性サイトカインの分泌が認められた。その一方で、オミクロン株のBA.1とBA.2は、腸管組織での感染・増殖効率が極めて低く、細胞傷害・炎症関連因子の上昇がほとんど見られなかった。
ウイルス変異株ごとの組織・臓器レベルの感染性や増殖性の変化は、ヒト体内の感染現象を反映していると考えられ、現在流行しているオミクロン株の病態の理解に役立つことが期待できるという。研究の成果は、米国消化器病学会誌「Gastroenterology」(オンライン)に掲載された。
検証の結果、デルタ株では、腸管上皮細胞の顕著なウイルス増殖と、それに伴う細胞傷害性、炎症性サイトカインの分泌が認められた。その一方で、オミクロン株のBA.1とBA.2は、腸管組織での感染・増殖効率が極めて低く、細胞傷害・炎症関連因子の上昇がほとんど見られなかった。
ウイルス変異株ごとの組織・臓器レベルの感染性や増殖性の変化は、ヒト体内の感染現象を反映していると考えられ、現在流行しているオミクロン株の病態の理解に役立つことが期待できるという。研究の成果は、米国消化器病学会誌「Gastroenterology」(オンライン)に掲載された。