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医療・介護ニュース

コロナ抗原検査キット、未承認品の販売は控えて-承認品選べる環境整備を要請、厚労省

2022年05月06日 19:20

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 厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の抗原定性検査キットのうち、質の確保が保証されていない未承認の「研究用」の販売を控えるよう都道府県などに求めた。承認を受けた「医療用」の製品だけを消費者が選択できる環境を整える。【松村秀士】

 新型コロナの抗原検査キットには、医薬品医療機器等法に基づく承認を受けた医療用と、診断を目的としない未承認の研究用などと称する製品がある。

 ただ、未承認の研究用は質が担保されていない。このため、消費者が未承認の研究用キットを使用すれば、新型コロナに感染しているにもかかわらず、陰性だった場合には感染していないと誤解し、医療機関への受診が遅れる可能性がある。その結果、本人の健康に重大な影響を与えたり、周囲の人に感染を広げたりする恐れがある。

 また、研究用キットの販売は法律に抵触する恐れもある。厚労省は、紛らわしい表示や広告を行うことによって「実際よりも著しく優良」であることを示す場合には、景品表示法に違反する恐れがあると指摘。違法となる可能性があるケースとして、▽あたかも承認済みのものと誤認を与えるような表示▽あたかも研究用キットを用いることで新型コロナの罹患の有無が判断できると誤認を与えるような表示-を挙げている。

 厚労省は2日、関連の事務連絡を都道府県などに発出。研究用キットの販売に関する留意事項を改めて整理し、消費者が承認品を選べる環境の整備を自治体に要請した。また、関係部局と連携して販売業者などに指導することも指示した。

出典:医療介護CBニュース