2022年02月10日 15:30
日本医師会の中川俊男会長は9日の記者会見で、2022年度診療報酬改定の中央社会保険医療協議会の答申を受け、オンライン診療やリフィル処方箋は、答申書附帯意見で引き続き検討すべき項目が掲げられていることからも、今後問題があれば抜本的に修正を求める考えを表明した。【齋藤栄子】
中川会長はオンライン診療について、対面診療との比較で触診・打診・聴診などが実施できないと中医協の公益裁定で明示され、診療報酬の対価に差を設けることが適当だとされたことを改めて評価した。結果として、オンライン診療の報酬は引き上げられたが、医療機関と患者の距離要件などは設定しないことが適切とされた点について、対面と適切に組み合わせた上で行われるよう注視していくとともに、患者の安心・安全が損なわれ、地域医療の秩序を混乱させるような事象が生じた場合は、期中でも診療報酬の見直しを求めるとした。 また、リフィル処方箋の導入については、症状が安定している慢性疾患の患者でも定期的に診察を行い、疾病管理の質を保つことが重要であると主張。長期処方にはリスクがあるため、新しい仕組みの導入に当たっては、患者の健康に大いに関わることになるので、慎重の上にも慎重を重ねて、丁寧な対応を求めるとした。 中川会長は同日、日本歯科医師会、日本薬剤師会と、三師会としての合同記者会見も開いた。22年度改定の大きな柱として、新型コロナ感染症への対応とかかりつけ医師、かかりつけ歯科医師、かかりつけ薬剤師への評価を挙げた。コロナ禍で地域医療が逼迫する中、地域で身近なかかりつけ医師らが、患者に寄り添うことの大切さが改めて認識されているとの見方を示し、今改定はかかりつけ機能を後押しするものとの受け止めで、それに応えられるようにかかりつけ機能を充実させていく考え。 急性期入院の「重症度、医療・看護必要度」については、心電図モニターの管理という内科系の患者像を表す項目が削除されたことは、経営にさらに影を落とすことになり残念だとし、看護必要度は改定のたびに手直しが行われ、医療提供体制を確実に維持するための予見可能性を低下させると問題視した。不合理な内容は是正しつつも、今回の改定をもっていったん立ち止まり、中長期的な視野に立ってあるべき姿について改めて考えることを求めた。
中川会長はオンライン診療について、対面診療との比較で触診・打診・聴診などが実施できないと中医協の公益裁定で明示され、診療報酬の対価に差を設けることが適当だとされたことを改めて評価した。結果として、オンライン診療の報酬は引き上げられたが、医療機関と患者の距離要件などは設定しないことが適切とされた点について、対面と適切に組み合わせた上で行われるよう注視していくとともに、患者の安心・安全が損なわれ、地域医療の秩序を混乱させるような事象が生じた場合は、期中でも診療報酬の見直しを求めるとした。 また、リフィル処方箋の導入については、症状が安定している慢性疾患の患者でも定期的に診察を行い、疾病管理の質を保つことが重要であると主張。長期処方にはリスクがあるため、新しい仕組みの導入に当たっては、患者の健康に大いに関わることになるので、慎重の上にも慎重を重ねて、丁寧な対応を求めるとした。 中川会長は同日、日本歯科医師会、日本薬剤師会と、三師会としての合同記者会見も開いた。22年度改定の大きな柱として、新型コロナ感染症への対応とかかりつけ医師、かかりつけ歯科医師、かかりつけ薬剤師への評価を挙げた。コロナ禍で地域医療が逼迫する中、地域で身近なかかりつけ医師らが、患者に寄り添うことの大切さが改めて認識されているとの見方を示し、今改定はかかりつけ機能を後押しするものとの受け止めで、それに応えられるようにかかりつけ機能を充実させていく考え。 急性期入院の「重症度、医療・看護必要度」については、心電図モニターの管理という内科系の患者像を表す項目が削除されたことは、経営にさらに影を落とすことになり残念だとし、看護必要度は改定のたびに手直しが行われ、医療提供体制を確実に維持するための予見可能性を低下させると問題視した。不合理な内容は是正しつつも、今回の改定をもっていったん立ち止まり、中長期的な視野に立ってあるべき姿について改めて考えることを求めた。