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医療・介護ニュース

「機能強化加算の趣旨は医療機関の体制を評価」-健保連の主張に日医が反論

2019年08月28日 19:55

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 日本医師会(日医)の松本吉郎常任理事は、健康保険組合連合会(健保連)が2018年度診療報酬改定で新設された「機能強化加算」の算定要件の見直しなどを厚生労働省に求めた提言に対して、28日の定例記者会見で反論した。レセプトのデータ分析だけでは「診療行為の理由や背景が不明」などと主張し、機能強化加算についても24時間対応などの医療機関の「体制」を評価するものと強調した。【吉木ちひろ】

 健保連が23日に開いた会見では、機能強化加算の算定要件について対象者を限定することなどを厚労省に提言したことが明らかにされた。提言は、健保組合のレセプトデータの分析結果を基に、継続的な管理が必要な疾患を持つ患者に同加算の対象者を限定するよう要件の見直しなどを主張するもの。

 松本常任理事は、同加算について「かかりつけ機能を強化した医療機関の『体制』を評価した加算」と強調。具体的には、24時間対応や在宅医療の提供のための職員確保にかかるコストを賄うために必要なものだと説明した。また、この加算は、地域包括診療加算などを算定する「かかりつけ医機能」を持つ医療機関を普及させることで、地域の外来機能において大病院との役割分担の促進を狙ったものだと補足した。

 松本常任理事は健保連の提言の個別項目それぞれについて反論したほか、既存の医薬品と比較して、効能・効果に大きな差がない医薬品に高い薬価が設定されていることや、調剤技術料が同じ処方薬の説明に対して毎回算定できることなどを例に挙げ、患者の疾病管理につながる初・再診料、指導管理料、処方料などの技術料が「薬価や調剤技術料と比べて、相対的に低過ぎる方が問題ではないか」などと述べた。

出典:医療介護CBニュース