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医療・介護ニュース

臓器移植法の運用指針、虐待事例除外基準を明確化-厚労省が改正案の概要公表

2022年01月31日 15:00

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 厚生労働省は、「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)の改正案の概要を公表した。18歳未満の児童の臓器提供における虐待事例を除外する基準を明確化するため、「児童虐待防止法に基づく通告を行わない場合は、遺族の書面による承諾により臓器の摘出を行って差し支えないという内容に記載を修正する」としている。4月1日に施行する予定。【新井哉】

 厚労省によると、現行のガイドラインでは、虐待が行われた疑いがある児童が死亡した場合、臓器の摘出は行わないとされているが、厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会で、「虐待の疑いが完全に否定できないとの懸念により、念のため臓器提供を見合わせる事例が生じていることから適切な記載に改めるべき」といった意見が出ていた。

 今回の改正では、虐待事例を除外する基準の明確化に加え、福祉事務所や児童相談所が虐待として介入していないことが確認できた場合は、「院内倫理委員会等の確認の下に臓器の摘出を行って差し支えないことを追記する」としている。

 また、15歳未満の知的障害者らについては、臓器を提供する意思がないことを生存中に表示している場合以外で遺族が書面で承諾している時は、臓器提供をできるようにする。

出典:医療介護CBニュース