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医療・介護ニュース

自宅療養安否確認、警察・消防との連携ルール化も-厚労省が死亡事例踏まえた対応を事務連絡

2022年01月17日 13:40

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 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、新型コロナウイルス感染症患者の自宅死亡事例を踏まえた自治体の対応に関する事務連絡(14日付)を、都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部(局)に出した。患者が安心して自宅療養を行うことができるよう、取り組みの参考にすることを求めている。【新井哉】

 事務連絡では、新型コロナウイルス感染症患者の死亡事例について、症状が軽症で自宅療養していたが、急速に重症化した後に亡くなったり、保健所による健康観察の開始が遅れ、その後、患者の死亡が確認されたりするといった事例が発生したことが明らかになったとしている。

 健康観察の事例も取り上げている。具体的には、「健康観察の電話やアプリでの健康観察に応答せず、その後訪問した際に死亡が確認された」「パルスオキシメーターを貸し出すも、自ら測定できず、入院調整の対象外となった」などの事例が報告されていることを説明。発生届に関しても、自ら抗原検査キットを用いて陽性の結果が出たが、本人の意思で保健所に連絡しなかった事例などを取り上げている。

 自宅死亡事例を踏まえた取り組みについては、▽保健所業務の効率化▽医療機関と保健所の間の情報共有▽自宅療養者との連絡が取れない場合の対応-を提示。例えば、連絡が取れない自宅療養者に対しては、消防や警察と連携して自宅訪問を行ったり、「当日17時締めで安否確認の対応協議を行い、当日中に安否確認を行う」「安否確認ができない場合は消防と警察に連絡を入れ、三者で連携し対応する」といった対応をルール化したりすることを挙げている。

 患者が飼育しているペットへの対応にも言及しており、「入院が必要な陽性患者が症状や経済的理由等により動物病院やペットホテル等を紹介してもなお預け先の確保が難航する場合」は、保健所と動物愛護センターが連携し、動物愛護センターで受け入れることも含めて検討する必要性を挙げている。

出典:医療介護CBニュース