閉じる

医療・介護ニュース

胃がんの罹患率は日本海沿いで高く、九州で低い傾向-大腸がんは東北で高い、日医総研が分析

2019年08月22日 16:05

印刷

 胃がんの罹患率は北日本の日本海沿いの地域で高い一方、九州地方では低い傾向があるとの分析結果を、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が公表した。大腸がんに関しては、東北地方で罹患率が高かった。分析に関わった出口真弓氏は、部位ごとの罹患率の地域差について、「複合的な要因があるが、生活習慣がかなり影響しているのではないか。各地域の罹患率の特徴を踏まえて対策を講じてほしい」と話している。【松村秀士】

 日医総研は、厚生労働省が公表した2016年の全国がん登録の概要を基に、都道府県ごとの罹患率などを分析し、「ワーキングペーパー」としてまとめた。

 それによると、上皮内がんを除いた全ての部位のがん罹患数は、16年で99万5132人に上った。このうち、部位別の罹患率のトップ3は、大腸(結腸・直腸、15.9%)、胃(13.5%)、肺(12.6%)の順。

 全国の大腸がんの総数の年齢調整罹患率(10万人当たり)は61.4で、都道府県別で高いのは、秋田(73.7)や青森(72.2)、鳥取(71.4)など。一方で低いのは、熊本(51.7)や岡山(51.8)、奈良(52.0)など。

 胃がんについては、全国の総数の罹患率は48.2で、都道府県別では新潟(74.7)や秋田(70.3)、山形(63.2)といった北日本の日本海沿いの県で高い傾向が見られた。これに対して罹患率の下位5位は、沖縄(20.6)、鹿児島(34.2)、熊本(35.5)、大分(37.8)、宮崎(39.7)の順で、九州地方の低さが目立った。

■肺がんの罹患率、西日本地域で高い傾向

 全国の肺がんの総数の罹患率は44.4で、都道府県別で見ると長崎(55.5)や北海道(51.4)、愛媛(51.0)などが高く、トップ10のうち9県が西日本地域だったことも分かった。

出典:医療介護CBニュース