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医療・介護ニュース

コロナワクチン使用済み注射器の再使用は重大事故-厚労省が事務連絡、有効な対策を提示

2021年08月06日 15:15

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 厚生労働省健康局健康課予防接種室は、「新型コロナワクチンの間違い接種情報」に関する事務連絡(3日付)を、都道府県、市町村、特別区の衛生主管部(局)に出した。6月16日までに「使用済み注射器の再使用による血液感染を起こしうる間違い」が23件報告されていることなどを取り上げ、有効な対策を示している。【新井哉】

 事務連絡では、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」に触れ、「間違いの発生を迅速に把握できる体制をとり、予防接種の間違いが発生した際には、厚生労働省に速やかに報告することとしている」などと説明している。

 今回作成した「新型コロナワクチンの間違い接種情報」は、新型コロナ予防接種に携わる医療従事者に対する「注意喚起資材」で、No.1では「使用済み注射器の再使用」、No.2では「ワクチンの再希釈(ファイザー社ワクチンの場合)」を取り上げている。

 例えば、使用済み注射器の再使用に関しては、「不要な侵襲を与えるだけでなく、血液感染を起こしうる重大な医療事故」などと説明。対策については、▽リキャップを絶対に行わない▽針捨て容器は、接種者の手が届く場所に置く▽使用済み注射器は、自らすぐに廃棄する▽接種者は、接種直前に注射器に薬液が充填されているか必ず目視で確認する-が有効としている。

 また、「1つのテーブルに、薬液が充填された未使用の注射器を入れるトレイと、使用済みの注射器を入れるトレイを近接して配置していた」といった間違いが起きた時の状況も記載。「使用後の注射器が1本ずつ針捨て容器に廃棄されず、接種実施者の手の届くところにある」といった間違いが起きた理由も挙げている。

出典:医療介護CBニュース