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医療・介護ニュース

東京で宿泊療養中に症状悪化し入院する患者が増加-都がモニタリング会議の専門家コメント公表

2021年08月05日 19:25

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 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(第57回)が5日、都庁で開かれた。公表された「専門家によるモニタリングコメント・意見」では、「入院患者数は増加しており、宿泊療養中に症状が悪化し入院する患者も増えている」と指摘。また、ワクチン接種後であっても陽性患者が確認されていることを取り上げ、「ワクチンを2回接種した後も感染リスクはゼロにはならないので、引き続きマスク着用等の基本的な感染防止対策の徹底を啓発する必要がある」としている。【新井哉】

 コメント・意見では、入院患者数について、前回(7月28日時点)の2995人から4日時点で3399人と増加したことを説明。新規陽性者数の急増に伴い、保健所から入院調整本部への調整依頼件数が「非常に高い水準」で推移しており、「翌日以降の調整への繰り越しや、自宅での待機を余儀なくされる事例が多数生じ、調整が難航している」と説明している。

 重症患者(人工呼吸器またはECMO使用)は、4日時点で前回よりも35人多い115人となっており、「大きく増加した」と指摘。7月27日から8月2日までの1週間に、新たに患者97人(前週は54人)が人工呼吸器を装着した一方で、61人(前週は27人)が人工呼吸器から離脱した。人工呼吸器使用中に死亡した患者が8人(前週は4人)いた。この期間に新たにECMO(体外式膜型人工肺)を導入した患者は12人、離脱した患者は6人いた。4日の時点で17人がECMOを使用している。

 重症患者の年代別の内訳については、50歳代が48人、40歳代が22人、60歳代が19人、70歳代が15人、30歳代が6人、80歳代が3人、20歳代が2人となっている。陽性判明日から人工呼吸器の装着まで平均4.8日、入院から人工呼吸器装着まで平均2.0日であったことにも触れ、「患者の重症化を防ぐためにも、少しでも症状がある人は早期に受診相談するよう啓発する必要がある」としている。

 新規陽性者数については、2週間後の予測値が1日当たり約1万909人となり、「おおよそ都民の1000人に1人が毎日感染する計算になる」と説明。また、「第4波の後は比較的抑えられていた高齢者層の感染者数が再び増加し始めており、厳重な注意が必要である」としている。

出典:医療介護CBニュース