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医療・介護ニュース

診療報酬の補填状況11月めどに報告へ、厚労省-19年の消費増税受け、焦点はコロナの影響

2021年08月04日 20:30

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 中央社会保険医療協議会の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」が4日開かれ、厚生労働省は、消費税率の引き上げに伴う医療機関の負担増を和らげるための診療報酬による補填状況を11月ごろに把握し、中医協に報告する方針を示した。【兼松昭夫】

 分科会が会合を開くのは、2019年10月の消費税率10%への引き上げに合わせ、臨時で行われた診療報酬改定の骨格を決めた同年1月9日以来、ほぼ2年7カ月ぶり。厚労省は、22年度診療報酬改定の議論に役立てるために行っている医療経済実態調査に回答する病院や診療所、薬局などを対象に、20年度の補填状況を確認する案を示した。

 厚労省案によると、医療機関や薬局による20年度の支出のうち消費税の負担分を医療経済実態調査のデータで、収入のうち診療報酬本体への上乗せ分をナショナルデータベース(NDB)のデータでそれぞれ把握する。

 消費増税に対応するための報酬改定は、税率が5%から8%に引き上げられた14年4月にも行った。ところが、それによる16年度の補填は、診療所(医科)で過剰だったのに対し、病院全体で大幅に不足するなどばらつきがあることがその後、分かった。そのため中医協は19年2月、同年10月の引き上げに合わせてこの時の対応をリセットし、14年度改定前の点数をベースに基本診療料などを改めて引き上げることを決めた経緯がある。

 厚労省案によると、今回はそれによる補填状況を11月をめどに調べ、結果を報告する。それを受けて中医協では、補填が適切かどうかを話し合う。ただ、医療機関や薬局の20年度の収支は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けているため、補填状況をどこまで見極められるかは見通せない。

 支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、新型コロナの影響が収まるまで補填状況を正確に見極めるのは難しいという認識を示し、「どんなやり方をしてもこれ(補填状況の調査結果)をもって結論を出すことは控えるべきだ」と訴えた。

 診療側の今村聡委員(日本医師会副会長)は、これに対し、「第1回の議論で決めることではない」と述べ、11月の報告を見てから対応を判断すべきだと主張した。

出典:医療介護CBニュース