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医療・介護ニュース

コロナ禍のメンタルヘルス問題の実態を明らかに-国立精神・神経医療研究センターが研究成果発表

2021年07月30日 16:05

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 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は28日、NCNP・認知行動療法センターの久我弘典センター長らの研究グループが「新型コロナウイルス禍におけるメンタルヘルス問題の実態」を明らかにしたと発表した。【新井哉】

 久我センター長と九州大大学院医学研究院精神病態医学分野の中尾智博教授、村山桂太郎助教講師らの研究グループは、厚生労働省特別研究事業として新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に起因したメンタルヘルス問題の実態について、全国の精神保健福祉(精保)センター69施設と精神科医療機関931施設の計1000施設を対象に郵送によるアンケート調査を実施した。

 その結果、相談の大半は精保センターに電話で行われ、COVID-19感染者やその家族に加え、一般住民からも広く寄せられていた。相談内容は不安、うつ、不眠、アルコール問題といった精神医学的問題に加え、対人関係や偏見差別の悩みなどの社会的要素を含んでいた。

 また、自殺の危険などの緊急を要する相談も寄せられており、「COVID-19に関連したメンタルヘルス問題は広がりを見せており、精保センターや精神科医療機関における適切な対応と介入のシステム構築が急務」などとしている。この研究の成果は、国際医学雑誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載された。

出典:医療介護CBニュース