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医療・介護ニュース

東京で入院患者急増、10歳未満・30代重症例も-都がコロナモニタリング会議の専門家意見公表

2021年07月21日 17:55

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 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(第55回)が21日、都庁で開かれた。公表された「専門家によるモニタリングコメント・意見」では、若年・中年層を中心とした新規陽性者数の急速な増加に伴い、入院患者数も急増していると指摘。入院患者の年代別割合について、「40代と50代の割合が合わせて約42%と高く、30代以下は全体の約34%を占めている」と説明している。【新井哉】

 コメント・意見では、入院患者数について、前回(14日時点)の2023人から20日時点で2388人と増加したことを説明。6月下旬から約1カ月で倍増したことを取り上げ、「今後、さらなる人流の増加や変異株(L452R)の影響等により、新規陽性者数が増加し続ければ、医療提供体制が逼迫の危機に直面する」としている。

 重症患者(人工呼吸器またはECMO使用)は、20日時点で前回よりも6人多い60人で、「高い値で推移している」と指摘。13日から19日までの1週間に、新たに患者45人が人工呼吸器を装着した一方で、36人が人工呼吸器から離脱した。人工呼吸器使用中に死亡した患者が4人(前週は8人)いた。この期間に新たにECMO(体外式膜型人工肺)を導入した患者は7人、離脱した患者は3人いた。20日の時点で8人がECMOを使用している。

 重症患者の年代別の内訳については、60歳代が17人、50歳代が16人、70歳代が14人、40歳代が10人、30歳代が2人、80歳代が1人となっている。また、「今週は10歳未満及び30代でも新たな重症例が発生している」と指摘。「ワクチン接種は、重症化の予防効果が期待されていることを啓発する必要がある」との見解を示している。

出典:医療介護CBニュース