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医療・介護ニュース

アルコール依存症とゲーム障害、治療ツール開発へ-厚生労働省が研究事業のパブコメ募集開始

2019年08月16日 17:54

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 厚生労働省は16日、2020年度の厚生労働科学研究事業に関するパブリックコメントの募集を始めた。障害者政策総合研究事業に関しては、「アルコール依存症やゲーム障害に対応できるソフト・ハード両面の整備のため、実態調査等から基礎資料を得て、治療や相談支援のためのツール開発と人材育成を推進する」としている。募集期間は9月15日まで。【新井哉】

 厚生労働科学研究事業は、▽行政政策研究▽疾病・障害対策研究▽健康安全確保総合研究-の3分野で構成されており、社会保障領域の施策の見直しや制度設計、政策の立案などにつなげる狙いがある。

 障害者政策総合研究事業では、アルコール依存症とゲーム障害に関する治療・相談支援のツール開発に加え、高次脳機能障害やPTSDについて「精神領域毎の診療情報の把握と支援策等の検討を行う」と記載。精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築を推進する研究に関しては、「保健・医療の基盤整備」と「福祉の基盤整備」の統合に向けた課題の整理などを行う方針だ。

 認知症政策研究事業では、新規研究課題として「認知症におけるうつ・無気力に対する治療法に関するエビデンス構築を目指した研究」を優先的に推進する。

 認知症者では、うつ・無気力が早期からみられ、QOL(生活の質)やアドヒアランスなどにも影響することが指摘されている。こうした状況を踏まえ、うつ・無気力に対する薬物・非薬物療法の効果に関するエビデンスを検証し、治療法に関する評価を行い、最適な治療戦略の開発に向けたエビデンスの構築につなげたい考えだ。

出典:医療介護CBニュース