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医療・介護ニュース

RSウイルス感染症、東京で最多の報告数更新-首都圏で流行継続、神奈川・埼玉・千葉も患者増

2021年07月08日 17:40

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 乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の流行が首都圏で続いている。6月28日から7月4日までの週(第26週)の患者報告数は、東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県で前週と比べて軒並み増加。東京では、2003年の調査開始後で最多となった前週の報告数を上回った。【新井哉】

 この週の1医療機関当たりの患者報告数は、東京都で前週比約27.6%増の6.1人、神奈川県で13.2%増の5.65人、千葉県で31.7%増の4.23人、埼玉で50.3%増の2.9人となった。

 神奈川県感染症発生情報(26週報)では、RSウイルス感染症を「今週の注目感染症」として取り上げ、手洗いや手指消毒などの感染予防を呼び掛けている。千葉県結核・感染症週報(第26週)でも、過去5年間で最も多い報告数となっていることを指摘。「地域によっては保育園等で集団感染事例が発生している」などと説明している。

 埼玉県の定点医療機関向け還元情報(第26週)では、「定点当たり報告数は、前週より大きく増加し、過去4年の同時期と比べ顕著に多い」と指摘。「年齢階級別では、2歳以下で全体の73%を占めた」としている。

 RSウイルスは、呼吸器感染症の1つで、感染から2-8日後に上気道炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎などの症状が現れる。患者のほとんどは軽症で済むが、小児を中心に重症化するケースもある。予防方法は、手洗いやマスクの着用、子どもが日常的に触れるおもちゃなどを消毒することなどが有効とされている。

出典:医療介護CBニュース