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医療・介護ニュース

五輪開催前後含む期間「感染症発生リスク高まる」-厚労省が事務連絡、コロナなど「特に留意が必要」

2021年07月01日 15:00

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 厚生労働省健康局結核感染症課と新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う感染症サーベイランスの取り組みの強化に関する事務連絡(6月29日付)を、都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部(局)に出した。大会期間前後を含む強化サーベイランス実施期間中は、「平常時と比較し、感染症の発生リスクが高まること」が懸念されるとし、新型コロナウイルス感染症や風しん、麻しん、中東呼吸器症候群(MERS)などの発生について「特に留意が必要」としている。【新井哉】

 事務連絡では、感染症法に基づく感染症発生動向調査について、マスギャザリング(一定期間に限られた地域において同一目的で集合した多人数の集団)など「感染症の発生リスクが増加することが見込まれる期間中」は、感度を高めた運用(強化サーベイランス)を実施することを説明。期間中(7月1日から9月19日まで)の強化サーベイランスの実施体制、アスリート・大会関係者の感染状況の共有について、関係機関などへの周知を図るよう求めている。

 強化サーベイランスの実施方針も示しており、感染症発生に対する感度を高めるため、▽感染症発生動向調査の徹底(アスリート・大会関係者に係る情報の追加収集など)▽疑似症サーベイランスの取り組みの強化▽自治体間の情報共有、感染症発生時の関係者間の連絡・協力体制の確保(大会を観戦した観客における特定の感染症発生時の報告体制の確保など)-を求めている。

 また、アスリート・大会関係者の感染対策については、ホストタウン自治体、滞在先の自治体、大会組織委員会が「受入責任者」として責任を負うことを明記。東京オリンピック・パラリンピックの関係者の新型コロナウイルス感染症患者数などに関しては、「内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局において、管理・公表される」と説明している。

 このほか、「大会を観戦した観客における特定の感染症発生時の報告体制の確保」についても取り上げ、緊急連絡先への連絡対象となる事例として、「潜伏期間・行動歴等から、大会会場での感染が否定できない事例」「感染性があると考えられる期間に大会会場に滞在したと考えられる事例」を挙げている。

出典:医療介護CBニュース