閉じる

医療・介護ニュース

RSウイルス感染症6週連続増、各地で流行本格化-2018年以降で3番目に多い報告数に

2021年06月29日 14:15

印刷

 乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の流行が各地で本格化している。1週間当たりの全国の患者報告数は6週連続で増えており、前回の流行(2019年)に匹敵する規模となっている。【新井哉】

 国立感染症研究所が公表した14日から20日までの週の全国の定点医療機関当たりの患者報告数(小児科定点医療機関約3000カ所)は、前週比約16.4%増の3.05人で、定点当たりの報告数に変更された18年以降では3番目に多い報告数となっている。

 都道府県別の患者報告数は、福井が12人で最も多く、以下は、山口(9.83人)、山形(8.17人)、富山(7.97人)、三重(7.14人)、石川(7.03人)、静岡(6.85人)、大分(5.86人)、和歌山(5.7人)、奈良(5.44人)、岐阜(4.49人)、福岡(4.02人)、愛知(3.92人)などの順だった。

 山形県感染症週報では、RSウイルス感染症をトピックスで取り上げ、定点当たりの報告数が「過去5年で2番目に多い」と説明。富山県感染症情報センターの感染症発生動向速報でも「過去10年で最も高い状況」と指摘している。愛知県感染症情報では、県内の報告数が高いレベルで推移していることや、2歳未満の報告数が全体の46.6%を占めていることを取り上げている。

 RSウイルスは、呼吸器感染症の1つで、感染から2-8日後に上気道炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎などの症状が現れる。患者のほとんどは軽症で済むが、小児を中心に重症化するケースもある。予防方法は、手洗いやマスクの着用、子どもが日常的に触れるおもちゃなどを消毒することなどが有効とされている。

出典:医療介護CBニュース