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医療・介護ニュース

コロナ減収の補填は対象をできるだけ広く、日医会長-骨太方針2021で見解

2021年06月24日 16:25

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 日本医師会の中川俊男会長は23日の記者会見で、「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針2021)の閣議決定を受けて、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対し、減収への対応を含めた経営上の支援が盛り込まれたことを評価する見解を示し、減収分の補填はコロナの重点医療機関だけでなく、後方支援医療機関を含め、できるだけ広く対象とすることを求めた。【齋藤栄子】

 医療費適正化計画については、都道府県の役割や提供体制整備の達成状況について、責務の明確化などが盛り込まれたが、都道府県の業務量がさらに増えることに懸念を示した。コロナ対応でも業務量増加などでパンクするケースが見られるなど、今はコロナ対応に心血を注いでいる状態であることから、法整備を優先するのではなく、現在のコロナ対応で判明した実態や得られた知見を十分踏まえつつ、しっかりと議論を尽くして策定されるべきだと話した。 また、病院機能や医療専門職人材の集約化を国は求めているが、医療資源を多く必要とする専門的な医療は、広域的に基幹病院で集約することは有効だが、日常的で頻度の高い医療ニーズは地域の実情を踏まえたきめ細かい対応が必要であるため、バランスに配慮して進めるべきだとした。集約に向けては地域医療連携推進法人の活用が提案されているが、国や都道府県主導のM&Aの推進などにつながる恐れを懸念しており、動向を注視する。 骨太方針2021のデータヘルス改革に関しては、長島公之常任理事から説明があった。改革推進のためには、オンライン資格確認と医師資格証のインフラ整備、予防のITシステムの相互連携、電子カルテの標準化などが必要で、保険医療機関は一般企業のように対策費を価格に転嫁できないため、公費の支援も必要だと話した。中でも、電子カルテの一元化は、問題の究極的な解決策だと強調する一方、ITへ対応できない国民が取り残されないよう、きめ細かな対応を求めた。
長島常任理事 また、日医が発行する「医師資格証」について、現在、電子署名等で利用されていると説明。今後、構築される電子処方箋の運用でも必須のものとなるため、全医師への普及を目指し、日医会員への発行・更新時の費用無料化に加えて、新たに医師免許を取得した医師には今年以降、非会員でも無料提供する方針を明らかにした。

出典:医療介護CBニュース