2019年08月13日 16:24
日本慢性期医療協会(日慢協)は、療養病棟入院基本料1を届け出ている病棟の患者のうち、中心静脈栄養を実施しているとする割合は18.2%とする調査結果を公表した。そのうち、療養病棟に入院する前から中心静脈栄養を実施していた患者は39.6%、療養病棟で中心静脈栄養を中止して、ほかの栄養摂取法に切り替えるなどした患者は13.9%だった。7月の中央社会保険医療協議会「入院医療等の調査・評価分科会」で、中心静脈栄養を実施されている患者割合の高さが問題視されたことを受けた緊急調査で、病院側の都合による医療処置の実施を否定した。【吉木ちひろ】
7月3日の入院医療等の調査・評価分科会では、厚生労働省が療養病棟入院基本料の現況などに関するデータを示していた。その際、療養病棟入院料1・2を届け出ている病棟の医療区分3に該当する患者の半数以上に、中心静脈栄養が実施されていたこと=グラフ=について委員から、「非常に多い。モニターしていくことが必要」との意見があった。委員は、必ずしも本人・家族らの望まない延命治療につながっている可能性や行き場を失った患者が「病院に入るために、仕方なく」中心静脈で栄養を入れる事例があることを指摘した。
7月3日の「入院医療等の調査・評価分科会」で意見がぶつかった、中心静脈栄養に関するデータ 日慢協はこれを受け、緊急アンケートを実施。役員関連病院61施設(4648床)から回答を得た。これによると、療養病棟入院基本料1の入院患者6246人のうち、1日でも中心静脈栄養を実施したのは1135人(18.2%)。このうち、中心静脈栄養を実施した状態でほかの医療機関や自宅などから入院してきた患者は449人(39.6%)、療養病棟入院基本料1を届け出ている病棟に入院している間に中心静脈栄養を中止した患者は158人(13.9%)だった。また、代替可能な栄養法があるにも関わらず中心静脈栄養を実施している患者(1.5%)についても、末梢点滴が困難になった患者1人を除いて本人や家族の希望で実施していることを明らかにした。
こうした調査結果から、病院側の都合による医療処置が実施されているとする論調を否定した。
入院医療等の調査・評価分科会に分科会に委員として出席した池端幸彦副会長は、8日の定例記者会見で中心静脈栄養について、高齢患者で低栄養、脱水症状に陥っている場合は通常以上の栄養分・水分が必要で、その不足分を補うために「経口摂取、経管栄養と併用する期間も必要」との考えを示した。一方、「協会としても(患者の状態を)定期的に見直し、最終的に中心静脈栄養は抜去するべき」とした。
7月3日の入院医療等の調査・評価分科会では、厚生労働省が療養病棟入院基本料の現況などに関するデータを示していた。その際、療養病棟入院料1・2を届け出ている病棟の医療区分3に該当する患者の半数以上に、中心静脈栄養が実施されていたこと=グラフ=について委員から、「非常に多い。モニターしていくことが必要」との意見があった。委員は、必ずしも本人・家族らの望まない延命治療につながっている可能性や行き場を失った患者が「病院に入るために、仕方なく」中心静脈で栄養を入れる事例があることを指摘した。
7月3日の「入院医療等の調査・評価分科会」で意見がぶつかった、中心静脈栄養に関するデータ 日慢協はこれを受け、緊急アンケートを実施。役員関連病院61施設(4648床)から回答を得た。これによると、療養病棟入院基本料1の入院患者6246人のうち、1日でも中心静脈栄養を実施したのは1135人(18.2%)。このうち、中心静脈栄養を実施した状態でほかの医療機関や自宅などから入院してきた患者は449人(39.6%)、療養病棟入院基本料1を届け出ている病棟に入院している間に中心静脈栄養を中止した患者は158人(13.9%)だった。また、代替可能な栄養法があるにも関わらず中心静脈栄養を実施している患者(1.5%)についても、末梢点滴が困難になった患者1人を除いて本人や家族の希望で実施していることを明らかにした。
こうした調査結果から、病院側の都合による医療処置が実施されているとする論調を否定した。
入院医療等の調査・評価分科会に分科会に委員として出席した池端幸彦副会長は、8日の定例記者会見で中心静脈栄養について、高齢患者で低栄養、脱水症状に陥っている場合は通常以上の栄養分・水分が必要で、その不足分を補うために「経口摂取、経管栄養と併用する期間も必要」との考えを示した。一方、「協会としても(患者の状態を)定期的に見直し、最終的に中心静脈栄養は抜去するべき」とした。