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医療・介護ニュース

コロナ病床転用「通常の医療への影響がより深刻」-東京都がモニタリング会議の専門家意見を公表

2021年04月15日 18:25

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 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(第41回)が15日、都庁で開かれた。公表された「専門家によるモニタリングコメント・意見」では、新型コロナウイルス感染症患者への病床転用で、通常の医療も含めた重症患者のための医療提供体制は、長期間にわたり厳しい状況が続いていることを指摘。「今後、最大確保病床まで転用を増やすことで、通常の医療への影響がより深刻となることが予測される」としている。【新井哉】

 コメント・意見では、14日時点の入院患者数について、前回(7日時点)は1,500人であったが、14日時点で1,424人と「ほぼ横ばいであった」としている。

 また、都が濃厚接触者らの積極的疫学調査の充実に加え、陽性率の高い特定の地域や対象における定期的なスクリーニングのためのPCR検査などを開始したことを取り上げ、「その結果、陽性者が増加する可能性があり、宿泊療養先、入院先の確保を検討している」と説明。入院患者の年代別割合については、60歳代以上の割合が減少傾向にあるが、依然として高い水準にあることに触れ、「高齢者層への感染拡大を防ぐため、基本的な感染予防策、環境の清拭・消毒等、全世代での対策の徹底が必要である」としている。

 重症患者(人工呼吸器またはECMO使用)は前回と同じ41人となっており、「重症患者数は新たな発生も続き、横ばいで推移している」と説明。6日から12日までに、新たに患者18人が人工呼吸器を装着した一方で、13人が人工呼吸器から離脱した。人工呼吸器使用中に死亡した患者が6人いた。この期間に新たにECMO(体外式膜型人工肺)を導入した患者が1人いた。ECMOから離脱した患者はいなかった。14日の時点で、人工呼吸器を装着している患者41人のうち3人がECMOを使用している。

 重症患者の年代別の内訳については、70歳代が19人、60歳代が7人、50歳代が6人、80歳代が4人、40歳代が3人、20歳代、90歳代がそれぞれ1人となっている。

出典:医療介護CBニュース