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医療・介護ニュース

はしか2人報告、東京都は公共交通利用など非公表-「国内」感染の5歳未満と40歳代

2019年08月08日 19:05

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 麻疹(はしか)患者について、東京都内で新たに2人の報告があったことが8日、東京都感染症週報(7月29日―8月4日)で分かった。他の自治体では、患者が使った公共交通機関、立ち寄った大規模集客施設などを公表しているケースが少なくないが、都は、こうした情報を公表していない。都内の患者報告は約1カ月ぶりで、感染の拡大を防止できずに患者が増え続けた場合、東京オリンピックに影響を及ぼしかねない。【新井哉】

 週報によると、今回報告のあった2人は、いずれも「検査診断例」で、推定感染地は「国内」だった。患者の1人は麻疹含有ワクチンの接種歴(1回)があったが、もう1人には接種歴はなかった。麻疹の遺伝子型に関しては、1人は東南アジアで流行している遺伝子型「D8」で、もう1人は「不明」としている。

 都によると、2019年の都の麻疹患者報告数(7日集計)は、今回の2人を含めて103人となっており、7割超が「国内」で感染したと推定されている。医療機関での集団発生事例(同一施設で2人以上の発症者)も3件報告されており、他の患者や医療従事者への感染を防ぐため、▽38度以上の発熱▽咳・鼻汁・結膜の充血▽全身に赤い発疹▽口内炎のような症状―が見られた場合、事前に電話連絡した上で受診するよう求めている医療機関もある。

 麻疹患者を巡っては、他の人に感染させる恐れがある時期に都内の公共交通機関を利用するケースが後を絶たない。千葉県は、麻疹患者が乗車した都内の路線名と時間帯を公表し、利用者が患者に接触した可能性があるとして注意喚起を実施したが、東京都は利用状況の公表を控えており、対応が異なっている。

 国立感染症研究所が公表している「麻疹の発生に関するリスクアセスメント」では、感染拡大の防止を図るため、「1例でも報告された時点で各関係機関の協力のもとで行う迅速な接触者調査と対応、また地域医療機関への情報伝達と一般国民に対する予防のための啓発が必要」とし、特に事例が広域となる恐れのある場合は「各関係自治体間の情報共有も重要である」としている。

 東京オリンピックの開催期間中に麻疹を流行させないためにも、今後、首都圏の自治体間で麻疹患者の公共交通機関・大規模集客施設の利用状況や、受診先の医療機関名を含めた情報の共有を強化していくことが求められそうだ。

出典:医療介護CBニュース