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医療・介護ニュース

LIFEの実用化、要介護認定制度見直しの契機に-日慢協、21年度改定への見解を表明

2021年03月12日 13:45

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 日本慢性期医療協会は11日の定例記者会見で、2021年度介護報酬改定について見解を表明した。武久洋三会長は「LIFE」の実用化へ期待を示し、「要介護認定制度自体、大きく見直される可能性がある」との見通しを示した。【吉木ちひろ】

 武久会長はLIFEの実用化について、各事業者が利用者の要介護度の改善を目指す機運を高めるものとして評価した。それぞれの施設や事業者が提供している介護サービスの内容や、その後の利用者の状態をデータで示せるようになれば、利用者の選択や介護報酬上の評価につながる可能性がある。武久会長はこれまで、利用者の身体機能が改善することが事業者と利用者の双方から必ずしも「望まれていない」状況を、介護保険制度の構造上の問題として指摘していた。

 武久会長は、LIFEで大規模なデータベースが構築できた場合、3年後には要介護認定の項目変更があることや、さらに要介護認定制度自体の見直しにも影響が及ぶことについても「可能性として考えておかなければならない」との認識を示した。

 会見ではそのほかに、橋本康子副会長(医療法人社団和風会理事長)が介護保険施設や回復期リハビリテーション病棟の経営を担う立場から、介護保険施設でのリハビリが、診療報酬同様にプロセスやアウトプットに対する評価を受ける方向に変わっていく可能性があるとの期待を示した。鈴木龍太常任理事(医療法人社団三喜会理事長)も、「今後エビデンスがたまっていくと、将来的には要介護認定もケアプランもAI化できるようになって、非常に客観的な形でいろいろ物事が動いてくると思う」などと述べ、介護報酬でも身体機能などの状態改善への評価が進むよう求めた。

出典:医療介護CBニュース