2021年03月04日 20:30
厚生労働省は4日、システムを導入した病院などが患者の特定健診の結果や薬剤の服用歴を閲覧することができるようになる「オンライン資格確認」のプレ運用を開始した。運用面での課題などを見つけ出し、円滑な本格運用につなげる。同省保険局の山下護・医療介護連携政策課長は、本格的な運用をこれまで通り3月下旬に開始することを、この日の社会保障審議会・医療保険部会で強調した。ただ、一部の委員からは、プレ運用の状況を見ながら、本格運用の開始時期を慎重に検討すべきだとの意見が出た。【松村秀士】
プレ運用は、本格運用前のテストという位置付けで、基本的に本格運用と同じ環境下で行われる。初日から参加したのは、日本海総合病院や静岡県立総合病院など6病院や診療所(医科2施設・歯科4施設)、薬局(7施設)の計19施設。厚労省は今後、参加施設を徐々に増やし、最終的に500程度の医療機関や薬局を対象にプレ運用を実施する。
■カードリーダーの申し込み数が3割超に
同省はこの日の部会で、オンライン資格確認の導入の際に必要な「顔認証付きカードリーダー」(読み取り機)の申し込み数が、対象の全施設の3割を超えたことを明らかにした。2月21日時点で申し込んだのは7万4,830施設で、全体の32.8%。その内訳は、病院3,530施設(全施設の約43%)、医科診療所2万1,883施設(約25%)、薬局3万249施設(約51%)など。
ただ、国は、オンライン資格確認について、3月末時点で全ての医療機関・薬局の6割程度の導入を目指しており、現場での準備が十分に進んでいない状況だ。
導入の足かせとなっている課題として、山下氏は、システムベンダーによる見積額が過大になることに加え、半導体が世界的に不足していることにより、運用のためのパソコンの供給が減っていることも挙げた。しかし、「現在の課題と対応の進捗を見る限り、(本格稼働の)スケジュールに変更なく進めていける」と強調した。
これに対して、森昌平委員(日本薬剤師会副会長)が、「プレ運用から本格的なスタートまでの期間が短いので、十分に検証ができるのか不安がある」と指摘。本格運用が始まってから現場でトラブルや混乱が起きるのを避けるため、「プレ運用の状況を見ながら慎重に検討し、(本格)運用の時期を決めるべきだ」と提案した。
プレ運用は、本格運用前のテストという位置付けで、基本的に本格運用と同じ環境下で行われる。初日から参加したのは、日本海総合病院や静岡県立総合病院など6病院や診療所(医科2施設・歯科4施設)、薬局(7施設)の計19施設。厚労省は今後、参加施設を徐々に増やし、最終的に500程度の医療機関や薬局を対象にプレ運用を実施する。
■カードリーダーの申し込み数が3割超に
同省はこの日の部会で、オンライン資格確認の導入の際に必要な「顔認証付きカードリーダー」(読み取り機)の申し込み数が、対象の全施設の3割を超えたことを明らかにした。2月21日時点で申し込んだのは7万4,830施設で、全体の32.8%。その内訳は、病院3,530施設(全施設の約43%)、医科診療所2万1,883施設(約25%)、薬局3万249施設(約51%)など。
ただ、国は、オンライン資格確認について、3月末時点で全ての医療機関・薬局の6割程度の導入を目指しており、現場での準備が十分に進んでいない状況だ。
導入の足かせとなっている課題として、山下氏は、システムベンダーによる見積額が過大になることに加え、半導体が世界的に不足していることにより、運用のためのパソコンの供給が減っていることも挙げた。しかし、「現在の課題と対応の進捗を見る限り、(本格稼働の)スケジュールに変更なく進めていける」と強調した。
これに対して、森昌平委員(日本薬剤師会副会長)が、「プレ運用から本格的なスタートまでの期間が短いので、十分に検証ができるのか不安がある」と指摘。本格運用が始まってから現場でトラブルや混乱が起きるのを避けるため、「プレ運用の状況を見ながら慎重に検討し、(本格)運用の時期を決めるべきだ」と提案した。