2021年02月26日 17:05
民間企業が実施したACPなどに関する意識調査によると、40歳以上の男女のうち、自身の死が近づいて「人生の最終段階を迎えた時」に受けたい(または受けたくない)医療について希望を持っている人の割合は34.6%だった。また、両親から希望を聞いている割合は14.5%だった。4月に控える介護報酬改定では、「本人の意思を尊重した医療・ケアの方針の決定」に対する支援が施設系サービスの努力義務とされるが、取り組みが広く実施されるには、普及啓発の面でもまだ課題がありそうだ。【吉木ちひろ】
調査は、民間介護大手のSOMPOケア(東京都品川区)が40歳以上の男女を対象として2020年11月9-16日に実施したもの。有効回答数は973。
それによると、「自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の過ごし方」などの希望について、「現時点で、明確な希望があるわけではない」が最も多く39.4%、具体的な希望がある場合は、「受けたい/受けたくない医療について」(34.6%)、「葬儀やお墓について」(32.0%)、「死を迎える場所について」(25.2%)などの順で多かった(複数回答)。なお、「受けたい/受けたくない介護について」と回答した割合は19.6%だった。
「受けたい/受けたくない医療について」希望があると回答した割合は年代が上がるにつれて上がる傾向にあり、70歳以上では41.7%に達した。一方、介護の場合はこうした傾向は見られなかった=グラフ=。
自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の過ごし方等についての希望、SOMPOケア提供(複数回答、n=973)
「両親が持っている老後や人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などの希望について、知っておきたいと思うこと」では「特にない」が34.9%で最も多く、具体的な希望がある場合は「受けたい/受けたくない医療について」(29.6%)、「葬儀やお墓について」(28.6%)、「親が所有する財産の処分方法について」(18.6%)などの順で多かった。実際に聞いている事項では、「特にない」(53.9%)、「葬儀やお墓について」(20.5%)、「暮らしたい場所について」(15.3%)などの順で多くなり、「受けたい/受けたくない医療について」は14.5%と、「知っておきたい」と考える割合との乖離があった。
さらに、両親から老後や人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などに関する希望を聞いている場合、その内容について何度か繰り返し話をしているとした割合は53.3%だった。
自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などについて、希望を誰かに伝えているかどうかについては、「誰にも伝えていない」が44.1%で最も多く、以下は「自身の配偶者」(36.3%)、「自身の子」(28.8%)などと続いた(複数回答)。「誰にも伝えていない」の割合は年代が上がるにつれて減少し、70歳以上では27.3%だった。70歳代ではその分、「自身の配偶者」と回答した割合が45.3%、「自身の子」が41.7%などと高くなった。
厚生労働省は、人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族、医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組み(ACP/アドバンス・ケア・プランニング)の普及を目指し、18年にACPの愛称を「人生会議」と選定するなどしている。しかし、「アドバンス・ケア・プランニング」や「人生会議」について「よく知っている」や「ある程度知っている」と回答した割合はそれぞれ3.3%、12.4%にとどまった。
調査は、民間介護大手のSOMPOケア(東京都品川区)が40歳以上の男女を対象として2020年11月9-16日に実施したもの。有効回答数は973。
それによると、「自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の過ごし方」などの希望について、「現時点で、明確な希望があるわけではない」が最も多く39.4%、具体的な希望がある場合は、「受けたい/受けたくない医療について」(34.6%)、「葬儀やお墓について」(32.0%)、「死を迎える場所について」(25.2%)などの順で多かった(複数回答)。なお、「受けたい/受けたくない介護について」と回答した割合は19.6%だった。
「受けたい/受けたくない医療について」希望があると回答した割合は年代が上がるにつれて上がる傾向にあり、70歳以上では41.7%に達した。一方、介護の場合はこうした傾向は見られなかった=グラフ=。
自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の過ごし方等についての希望、SOMPOケア提供(複数回答、n=973)
「両親が持っている老後や人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などの希望について、知っておきたいと思うこと」では「特にない」が34.9%で最も多く、具体的な希望がある場合は「受けたい/受けたくない医療について」(29.6%)、「葬儀やお墓について」(28.6%)、「親が所有する財産の処分方法について」(18.6%)などの順で多かった。実際に聞いている事項では、「特にない」(53.9%)、「葬儀やお墓について」(20.5%)、「暮らしたい場所について」(15.3%)などの順で多くなり、「受けたい/受けたくない医療について」は14.5%と、「知っておきたい」と考える割合との乖離があった。
さらに、両親から老後や人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などに関する希望を聞いている場合、その内容について何度か繰り返し話をしているとした割合は53.3%だった。
自身の死が近づき、人生の最終段階を迎えた時の過ごし方などについて、希望を誰かに伝えているかどうかについては、「誰にも伝えていない」が44.1%で最も多く、以下は「自身の配偶者」(36.3%)、「自身の子」(28.8%)などと続いた(複数回答)。「誰にも伝えていない」の割合は年代が上がるにつれて減少し、70歳以上では27.3%だった。70歳代ではその分、「自身の配偶者」と回答した割合が45.3%、「自身の子」が41.7%などと高くなった。
厚生労働省は、人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族、医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組み(ACP/アドバンス・ケア・プランニング)の普及を目指し、18年にACPの愛称を「人生会議」と選定するなどしている。しかし、「アドバンス・ケア・プランニング」や「人生会議」について「よく知っている」や「ある程度知っている」と回答した割合はそれぞれ3.3%、12.4%にとどまった。