2021年02月19日 13:45
日本慢性期医療協会の武久洋三会長は18日の定例記者会見で、介護保険施設に入居する高齢者に新型コロナウイルスの感染者が発生し、施設の医師が対応に当たった場合の介護報酬による手当てや外部医療機関との連携に対する支援を求めた。介護保険施設でのクラスターが全国で相当数発生している中、人員不足への対応などが不十分であることなども指摘した。【吉木ちひろ】
日慢協は会員や会員関連施設の介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)に呼び掛け、2020年4月以降に起きたクラスター発生情報を収集した。武久会長によると、報告を受けたのは老健6施設、介護医療院2施設、デイサービス1施設。このうち、8施設で発生した陽性者は保健所から紹介された医療機関へ入院し、1施設の陽性者は自法人の関連病院へ入院したという。また、3施設では、自らの施設で一部の陽性者の診療に当たった。
それらの施設からは、▽クラスター発生による必要経費は最大で約3,500万円、入所者の受け入れ停止などによる収入減の影響を含めると約9,000万円の損失が出た施設が存在した▽陽性者・濃厚接触者の発生による一時的な職員不足には、関連介護事業所や医療機関から補充して対応した▽いずれの施設でもクラスター発生から収束までの期間は1カ月半程度-といった情報も上がったとした。
介護施設で感染者やクラスターが発生した場合の対応として厚生労働省は、感染者発生時の医療従事者や感染管理専門家の派遣事業などの活用を促している(1月14日付事務連絡)。また、経済的な支援としては、かかり増し経費への補助メニューが整備されている。武久会長は会見で、派遣事業について、「現実にはなかなか行われていない」ことなどから、特に施設内クラスター発生時の人材不足に対するスピーディーな支援が不十分であり、医療機関が併設されていない単独型施設の運営継続が困難な状況にあると主張した。
また、施設内で感染者が発生してほかの医療機関で診療した場合には診療報酬の手当てがあるのに対して、介護施設の医師が感染者の診療行為に当たる場合の評価がされていないことについても指摘。この場合の手当てと近隣医療機関から介護施設へのスムーズな介入のための支援策を求めた。
日慢協は会員や会員関連施設の介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)に呼び掛け、2020年4月以降に起きたクラスター発生情報を収集した。武久会長によると、報告を受けたのは老健6施設、介護医療院2施設、デイサービス1施設。このうち、8施設で発生した陽性者は保健所から紹介された医療機関へ入院し、1施設の陽性者は自法人の関連病院へ入院したという。また、3施設では、自らの施設で一部の陽性者の診療に当たった。
それらの施設からは、▽クラスター発生による必要経費は最大で約3,500万円、入所者の受け入れ停止などによる収入減の影響を含めると約9,000万円の損失が出た施設が存在した▽陽性者・濃厚接触者の発生による一時的な職員不足には、関連介護事業所や医療機関から補充して対応した▽いずれの施設でもクラスター発生から収束までの期間は1カ月半程度-といった情報も上がったとした。
介護施設で感染者やクラスターが発生した場合の対応として厚生労働省は、感染者発生時の医療従事者や感染管理専門家の派遣事業などの活用を促している(1月14日付事務連絡)。また、経済的な支援としては、かかり増し経費への補助メニューが整備されている。武久会長は会見で、派遣事業について、「現実にはなかなか行われていない」ことなどから、特に施設内クラスター発生時の人材不足に対するスピーディーな支援が不十分であり、医療機関が併設されていない単独型施設の運営継続が困難な状況にあると主張した。
また、施設内で感染者が発生してほかの医療機関で診療した場合には診療報酬の手当てがあるのに対して、介護施設の医師が感染者の診療行為に当たる場合の評価がされていないことについても指摘。この場合の手当てと近隣医療機関から介護施設へのスムーズな介入のための支援策を求めた。