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医療・介護ニュース

コロナ院内感染、精神科病院で相次ぐ-「ワクチン優先接種を」病院団体要望

2021年01月27日 19:25

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 新型コロナウイルスの院内感染が精神科病院で相次いでいるとして、精神疾患を抱える患者をワクチンの優先接種の対象にするよう求める要望書を日本精神科病院協会(日精協)が田村憲久厚生労働相宛てに提出した。1,192ある会員病院の1割近くに当たる107病院で院内感染が起き(19日現在)、そのうち30病院以上でクラスターが発生したという。【兼松昭夫】

 日精協の山崎學会長は27日、東京都内で記者会見し、「ハイリスクの所に最優先でワクチンを接種すべきだ」と述べ、精神疾患を抱える患者や介護施設の入居者などに優先的に接種する必要性を強調した。

 精神疾患を抱える入院患者は、手指の消毒やマスクの装着などの感染予防の徹底が難しい側面がある。その上、新型コロナにたとえ感染しても、感染症に対応する一般病院で転院を受け入れるのは難しいという。山崎会長は、「重症の患者さん数人を受け入れてくれてもそれ以外は結局、(精神科の)病院内で対応しているケースが多い」と話した。

 都内では、新型コロナ以外の病気を併発した患者の搬送先を探すのも難しいという。

 政府は、高齢者や「基礎疾患を有する者」を優先接種の対象にすることを検討しているが、精神疾患の患者は対象の候補になっていない。そのため日精協は、「基礎疾患を有する者」から精神疾患の患者を除外しないよう求める要望書を20日、田村厚労相宛てに提出した。

出典:医療介護CBニュース