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医療・介護ニュース

対応続ける医療機関の職員「すでに相当に疲弊」-厚労省、コロナアドバイザリーボードの評価公表

2020年12月17日 15:45

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 厚生労働省は16日、第18回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの感染状況の評価などを公表した。死亡者数が増加傾向となっていることや、対応を続けている医療機関や保健所の職員が「すでに相当に疲弊」していることなどを指摘。「各地で迅速な発生時対応や新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況が懸念される」との見解を示している。【新井哉】

 厚労省によると、9日時点の全国の入院者数は9,222人で、1週間前と比べて734人増えている。全国の受入確保病床数に対する割合は33.7%で、都道府県別では、兵庫(68.9%)が最も高く、以下は、大阪(55.6%)、北海道(55.1%)、埼玉(54.3%)、高知(53.5%)、群馬(49.3%)、三重(47.9%)、沖縄(46.8%)、東京(46.3%)、栃木(46%)、愛知(45.3%)などの順だった。

 全国の重症者数は、1週間前と比べて57人多い842人となっており、「受入確保病床に対する割合も上昇が続き、一部地域では高水準となっている」と指摘している。都道府県別では、東京(275人)が最も多かった。2番目に多かったのは大阪(212人)だった。

 新規感染者数については、「規模が大きく、高齢者の絶対数も多くなっている」と説明。これに伴い、入院者数、重症者数の増加が続いており、医療・公衆衛生体制への負荷が増大するとともに、死亡者数が増加傾向となっているとした上で、「今後も重症者の増加はしばらく続くおそれがあり、死亡者数のさらなる増加も懸念される」としている。

 必要な対策にも言及しており、これまで大きな感染が見られなかった地域でも感染の発生が見られていることに触れ、「特に比較的医療提供体制が弱い地域ではその体制が急速に悪化し、急速な感染拡大が起こりうるため、宿泊療養施設を含め医療提供体制の準備・確保等を直ちに進めることが必要である」としている。

出典:医療介護CBニュース