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医療・介護ニュース

介護従事者への慰労金支給実績は「150万人程度に」-10月末時点の概算

2020年11月10日 17:40

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 新型コロナウイルスの対応に当たった介護職員らに1人当たり最大20万円を支給する慰労金の支給実績が、2020年10月末時点で「150万人程度」に増えていることが分かった。9日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、厚生労働省の笹子宗一郎認知症施策・地域介護推進課長が委員からの質問に答えた。【吉木ちひろ】

 感染症対策を巡る議論の中で、伊藤彰久委員(連合総合政策推進局生活福祉局長)は、いまだ一部への支給にとどまっているとみられる介護職員への慰労金について「厚労省から都道府県にはほとんど交付済みだということで、事業所にこれはとどまっているということなのか。どうやってこの事業所で、目的外で使用されないように担保するのか」と事務局に質問した。

 これに対して、笹子課長は「精査中の数字」として、「9月末時点で80万人の方に、実際に慰労金が支払われているという状況」と回答した。慰労金については、希望者が勤務先の介護事業所・施設などに代理受領委任状を提出し、それを受けた事業所などが都道府県へ給付申請をする仕組みになっている。しかし、厚労省が設置したコールセンターなどには、事業所や施設による申請拒否などの相談が多数届いていた。

 こうした事態を受け、厚労省では人材派遣関係の団体も対象に含めて「しっかりと介護事業所と連携を取りながら対応いただくことによって、速やかな慰労金の支給に協力してもらうように事務連絡等発出」(笹子課長)するなどの対応を取ってきた。この後、各都道府県の働き掛けなどもあり、粗い試算としては「10月末の段階でおよそ150万人程度に増えている」という。

 伊藤委員は説明に対し、「まだ、少ない」などと指摘。事業所側が慰労金を受け取っていながら、職員へ支給していない事例などを把握するとともに、不正な状況が認められることがないように強力な対応を要請した。

出典:医療介護CBニュース