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医療・介護ニュース

自傷他害恐れの薬物依存症者は措置入院で適正対処-東京都が再犯防止推進計画を公表

2019年08月05日 12:30

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 医療および保護のために入院させなければ、自傷他害の恐れがあると認められる薬物依存症の精神障害者に対しては、措置入院制度により、適正に対処する―。東京都は、このほど公表した再犯防止推進計画(2019―23年度)に、薬物依存症の人に対し措置入院を含めた「息の長い支援」を提供する方向性を明記した。都立松沢病院(世田谷区、精神科808床、一般90床)で治療プランを立て、薬物依存症患者の治療を行う方針だ。【新井哉】

 計画では、薬物事犯者の多くは、犯罪者であると同時に薬物依存症の患者である場合があることを取り上げ、「薬物依存症からの回復には継続的な治療・支援を受けることが重要」としている。

 具体的な取り組みに関しては、▽地域における息の長い支援の提供▽治療・支援のネットワークの構築▽治療・支援の担い手・受け皿の確保▽家族に対する支援の充実―などを挙げている。

 都立松沢病院の精神科外来では、治療の緊急性や依存の重篤度、身体的・精神的合併症などを評価して治療プランを立てる。また、薬物・アルコール依存や関連疾患による重度の精神症状がある患者に対しては、必要に応じて「入院治療等の専門的医療」を提供するという。

 都立精神保健福祉センターでも、本人や家族からの個別相談に対応するほか、薬物乱用者に対し、認知行動療法を取り入れた再発予防プログラムを実施。また、若者からの相談を受け付ける「若ナビα」(都若者総合相談センター)で、薬物依存が懸念される人や家族からの相談を受け付け、支援機関・団体と連携し、適切な支援につなげる方向性を示している。

出典:医療介護CBニュース