初診オンライン診療・服薬指導は2022年度から感染症拡大状況を見極め恒久化
「初診からのオンライン診療の恒久化」が早ければ2022年度から実施される見込みです。2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021(以下、基本方針2021)」と「規制改革実施計画(以下、実施計画)」に、オンライン診療の実施が記載されました。基本方針2021では、「オンライン診療を幅広く適正に活用するため、初診からの実施は原則かかりつけ医によるとしつつ、事前に患者の状態が把握できる場合にも認める方向で具体案を検討」。実施計画では、「オンライン診療・オンライン服薬指導の特例措置の恒久化」と明記されています。これらを受け、議論を進めてきた厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会(以下、検討会)」では、各要件の詳細を検討する工程に入っています。
実施計画では、この恒久化を「2022年度から順次実施」としており、実施時期については、政府が新型コロナウイルス感染症の拡大状況などを見極めて判断することになります。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年4月には初診からのオンライン診療が特例措置として解禁され、現在も継続されています。その恒久化の足掛かりとして、感染収束後も「映像があることに限定し、安全性と信頼性をベースに初診も含め原則解禁する」方針が、2020年10月には示されました。また、合わせてオンライン服薬指導も特例措置が適応されていますが、こちらも実施計画では「薬剤師の判断により、初回からオンライン服薬指導することも可能とする」と明記。さらには、2022年夏を目途に準備が進む電子処方箋システムの運用開始(図表1)を踏まえ、「薬剤の配送における品質保持等に係る考え方を明らかにし、一気通貫のオンライン医療の実現に向けて取り組む」とも記載していることからも、保険薬局薬剤師による服薬指導から患者宅への医薬品配送までのオンラインによるサービスが実現する様相です。
(参考資料)規制改革実施計画/(18)オンライン診療・オンライン服薬指導の特例措置の恒久化
出典:厚生労働省 社会保障審議会医療保険部会(第143回)資料2(一部抜粋、改変)
(図表1)電子処方箋の仕組み
出典:内閣府 規制改革推進会議 医療・介護ワーキング・グループ(第2回)資料1-2(一部抜粋、改変)