ポリファーマシー対策の手順書「始め方と進め方」 公表
厚生労働省は3月31日付で、関係検討会がまとめたポリファーマシーを解消するための病院薬剤師や勤務医向けの手順書となる「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方(以下、手順書)」を都道府県などに送付しました。ポリファーマシー対策では、「高齢者の医薬品適正使用の指針」(総論編(2018年)及び各論編(2019年))が策定されていましたが、今回の手順書では、院内の既存組織及びツールの活用法や、他科の医師に処方の見直しを提案する際の方法論、また既に取り組んでいる病院においては参考資料として活用するなど、より実践に根ざした内容が記載されています。
手順書は、ポリファーマシー対策を始める病院が初期に直面する課題への対処法を記載した第1章と、ある程度対策を進めている病院が業務手順書を整備し、より効率的に業務を進める方法を記した第2章、手順書の検討体制を示した第3章-で構成されています。
なお、ポリファーマシーの定義について手順書では、「単に服用する薬剤数が多いのみならず、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服用過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態」と記載。「薬物有害事象」に関しては、「薬剤の使用後に発現する有害な症状又は徴候であって薬剤との因果関係の有無を問わない概念(薬剤との因果関係が疑われる又は関連が否定できないものとして使用される『副作用』とは区別)」としています。
(参考資料)ポリファーマシーに対する取組(医療機関における減薬等の評価/保険薬局における減薬等の評価)
出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第417回) 医薬品・医療機器の効率的かつ有効・安全な使用等について 総-4-1(一部抜粋、改変)