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医療制度トピックス

令和元年度・令和2年度 診療報酬改定関連

要約版PDF(2.8MB)PDF

厚生労働省は2019年8月19日、2019年10月の診療報酬改定と薬価・材料価格改定について、官報を告示しました(図表1)。

いずれも消費税率10%への引き上げに対応したもので、診療報酬については、急性期病院を中心に補てん不足が生じた平成26年度改定の消費税率引き上げ時の見直しも含む、消費税率5%から10%の部分について、消費税相当分の財源を診療報酬本体に上乗せしています。

図表1 診療報酬点数表(2019年10月~)<一部抜粋>

図表1 診療報酬点数表(2019年10月~)<一部抜粋>

出典:厚生労働省告示第85号(2019年8月19日)、厚生労働省告示第43号(2018年3月5日)、厚生労働省告示第76号(2012年3月5日) (改変)

また、2019年9月11日に行われた中央社会保険医療協議会総会において、診療報酬を算定するにあたり施設基準の届出等が必要となる主なものについて、2018年7月1日現在における届出状況が示されました(図表2)。

図表2 主な施設基準届出状況等(各年7月1日現在)<一部抜粋>
診療報酬を算定するに当たり、施設基準の届出等が必要となる主なものについて、各年7月1日現在における届出状況を取り纏めたものである。
※下線は平成30年より追加又は変更等を行ったもの。

図表2 主な施設基準届出状況等(各年7月1日現在)<一部抜粋>

出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会 資料2-1 (2019年9月11日)

令和2年度診療報酬改定における議論は?

令和2年度(2020年度)診療報酬改定をめぐる議論で、働き方改革に必要なタスク・シフティングについては、病棟薬剤師の配置が医師の負担軽減に効果があるとされています。特に、中小規模の病院で薬剤師が不足していることから、病棟薬剤師の評価や配置要件について検討を求める声があります(図表3、図表4)。

全ては厚生労働省の検討内容次第ではありますが、医師の働き方改革、薬剤師の働き方改革は、共に補完し合いながら実現へ向かっていけるのかもしれません。

図表3 病棟薬剤業務実施加算の届出割合
●病棟薬剤業務実施加算の届出を行っている病院は、全体の約20%。病床数が少なくなるにつれ、届出率も低くなる。

図表3 病棟薬剤業務実施加算の届出割合

厚生労働省 保険局医療課調べ (平成29年7月1日現在の届出状況)
出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会 資料2-1 (2019年5月29日)

図表4 病棟薬剤業務実施加算を届出しない理由
●届出をしていない理由は「薬剤師の人数が不足しているため」が81.8%で最も多かった。

図表4 病棟薬剤業務実施加算を届出しない理由

厚生労働省 医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査 (平成30年度特別調査)
出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会 資料2-1 (2019年5月29日)

(編集:株式会社日本経営 2019年11月作成)

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Q.2019年10月の消費税引き上げに伴う調剤報酬の改定について
https://med.sawai.co.jp/topics/qa/detail.php?id=868