A.「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう」地域の包括的な医療と介護のサービスを提供できるようにする仕組みであると厚生労働省は解説しています。
厚生労働省が作成した地域包括ケアシステムのイメージ図には「住まい」が中心にあり、地域包括ケアシステムとは、「地域での生活を支える仕組み」と言って良いのではないでしょうか。 また「高齢者が在宅で療養できる仕組みを作っていこうとするもの」で、郡部、地方都市、大都市など地域特性によってあり方は異なってきます。「ケア付きコミュニティのこと」とも言われますが、具体的には、それぞれの地域で在宅医療の充実、医療と介護の一体的な提供のための多職種協働・連携作りや、地域社会との連携を作り上げることが基本的な課題として挙げられます。
新年度から市町村事業として「在宅医療・介護連携支援センター」事業が始まり、多くは地域の医師会に委託される見込みです。介護関係を中心とした地域包括支援センター事業と 車の両輪となって地域包括ケアシステムを組み立てていくとされています。困難事例やそれぞれの地域のあり方は、「地域ケア会議」という、医療・介護・行政・その他関係者が集まる会議で議論されます。
医療機関として押さえておきたいのは、在宅医療への取組みをどうするか?多職種協働・連携を図る場へ積極的に参加すべきかどうか?地域との交流をどう図るか?などでしょう。2018年の病床再編成や診療報酬・介護報酬同時改定などを考えると、地域包括ケア病棟届出や主治医機能評価(地域包括診療料)算定、特に在宅療養支援診療所(在支診)との連携は是非ご検討下さい。多職種協働・連携は地域医師会などでいろいろと企画されると予測されますので、情報収集目的で参加されるのも良いかと思います。
また地域との連携が重要となってきます。ある病院では、地域の若手企業家と交流を行った結果、今までの医療と介護の世界から視野が広がり、あっという間に地域のネットワークに入っていくことができたという事例もあります。地域に「私たちの病院」と認識されることは、今後、地域医療がますます重要化していく中で、大変意味のあることだと言えます。
地域包括ケアシステムは行政と医師会だけで動くものではありません。歯科・薬剤師など医療職、介護職、さらに地域社会との協働=コラボにより可能となります。院外に出かけていくアウトリーチが重要になると考えられます。地域包括ケアシステムは、走りながら考え作られていく仕組みだと言えます。
(株式会社メディサイト 松村 眞吾/株式会社日本経営エスディサポート 編集)