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地域医療の実現のために

感染制御専門薬剤師が主導する
薬学的管理・チーム医療・地域病診薬連携の推進

神戸大学医学部附属病院薬剤部

神戸大学医学部附属病院 薬剤部長・教授 矢野育子先生

神戸大学医学部附属病院 薬剤部主任・Infection Control Doctor 宇田篤史先生

コロナ禍の下で、薬剤師に感染制御における対応を求められるケースが増えている。神戸大学医学部附属病院薬剤部では2010年からBig Gun Projectの愛称で呼ばれる抗菌薬適正使用チーム(Antimicrobial Stewardship Team: AST)の活動があり、2018年にはAST専従薬剤師が配属されて院内外の感染制御対策および抗菌薬適正使用の啓発・教育に取り組んできた。「認定・専門薬剤師」シリーズ第3回では、薬剤部長・教授 矢野育子先生、薬剤部主任・Infection Control Doctor 宇田篤史先生に、薬剤師が主導する薬学的管理の院内外の取り組みについてお話を伺った。

01専門薬剤師制度導入以来の取り組み

矢野育子先生 矢野育子先生

矢野先生:神戸大学医学部附属病院薬剤部では、感染、がん、緩和、妊婦・授乳婦など、多様な専門領域において専門薬剤師を育成しており、現在、薬剤部員は約80名、認定・専門薬剤師は延べ118名です。

新入局の薬剤師には、まずは最もジェネラルな日本病院薬剤師会の日病薬病院薬学認定薬剤師を目指すことを推奨しており、その後どの専門を選ぶかは個人の選択ですが、薬剤師として働き続ける限りは、生涯にわたる自己研鑽として常に勉強し続けることは共通です。薬剤部として、認定試験を受けるための交通費や、資格更新のための講習会の費用などについて経済的サポートもおこないながら、認定・専門の資格取得を後押ししています。

私自身、2020年度より「国民のニーズに応える薬剤師の専門性のあり方に関する調査研究」(厚生労働科学研究費補助金 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)に、研究代表者として取り組んでいます。現在、日本における専門薬剤師の認定は、個別の職能団体や学会等によっておこなわれており、制度設計もさまざまであるため、認定要件に整合性がなく国民にも分かりづらいという課題があります。そこで本研究では、医療機関や薬局に勤務する薬剤師に求められる専門領域を、医療マネジメントの観点から決定するプロセスを考案するとともに、薬剤師の専門性の質を確保するための具体的な仕組みについて提案することを目指しています。主な検討課題として、まずは名称として「研修認定」、「領域別認定」、「専門」薬剤師がありますがその基準を設けること、また専門薬剤師では学会発表や論文投稿などの学術要件を明示すること、そしてもう一つは、学会個々の基準による評価だけではなく第三者による認証です。医師や歯科医師に専門の認定機構があるように、薬剤師の場合にも第三者機関の認証を受け、質の担保をしていく仕組みについて検討しているところです。

02感染制御における薬剤師主導の取り組み

矢野先生:ここ数年のコロナ禍のなかで、薬剤師として対応を求められるケースが非常に多くなっています。ワクチンの職域接種や大規模接種会場における地域への貢献から、治療薬が続々と出てくる中で相互作用に関するチェックシートを作成したりするなど、薬剤を必要とする患者さんに安全に届けられるようにすることなどに取り組んできました。薬品情報(DI)室としても非常に貢献しており、院内でも高く評価されていると思います。

こうした背景には、当施設において2010年から取り組んできた抗菌薬の適正使用チーム(Antimicrobial Stewardship Team: AST)の活動があり、Big Gun Projectという愛称で呼ばれています。

宇田先生:Big Gun Projectは、抗菌薬の適正使用に関する薬学的観点からの介入です。2010年の開始から現在13年目に入り、他施設に先駆けて長期間取り組んできたプロジェクトで、2018年には、内閣官房・文科省・厚労省・農水省主催の第2回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動において、「薬剤耐性へらそう!」応援大使賞を受賞しています。

私は2017年にAST専任となり、2018年5月に専従として配属になりました。配属時のASTの取り組みの一環として、特定の注射用抗菌薬(抗MRSA薬、抗緑膿菌薬、抗真菌薬)が使用された症例のカルテレビューを、週1回、その週の全症例について薬剤師がおこない、ピックアップした症例について医師、検査技師、看護師、薬剤師によるチームカンファレンスを実施しました。カンファレンスでの進行も含め、薬剤師が主導しておこなっているのが特徴です。また、特定抗菌薬開始前の血液培養採取に向けた取り組みも行っています。こうした抗菌薬開始時の早期モニタリングとともに、抗菌薬適正使用に関する講習会や介入を定期的に実施してきました。

AST専従薬剤師による介入前(2017年5月~12月)、介入期間(2018年5月~12月)、介入後(2019年5月~12月)で比較した結果、抗緑膿菌薬開始前の血液培養採取率は、介入前にくらべ介入後に有意に増加し(71% vs. 85%、p < 0.001、Cochran-Armitage検定:表)、デ・エスカレーション実施率は、介入前よりも介入後で高く(54% vs. 73%,p = 0.038、Cochran-Armitage検定:表)、抗緑膿菌薬の使用量は介入前から介入期間にかけて減少し、その減少は介入後も持続しました。また、院内クロストリディオイデス・ディフィシル感染症(CDI)の発生率および菌血症を伴う30日死亡率の有意な減少が示されました(それぞれp = 0.031およびp = 0.005:図)1)。このように、薬剤師主導の介入により、適切な抗菌療法による臨床転帰の改善が可能となりました。

こうした、感染症治療への薬学的支援であるBig Gun Projectに取り組む一方、感染対策としては、主に手指消毒薬使用の遵守率改善のため、手指消毒を行うタイミングなどの講義や携帯型手指消毒剤を常時携帯するように働きかける活動などをおこなっています。その結果、薬剤師では世界保健機構(WHO)が提唱する5つのタイミングでの手指衛生遵守率は、8割程度まで改善しました。海外の学会でこの取り組みを発表した内容は、日本環境感染学会トラベルアウォードを受賞しています。

介入前後における抗菌薬開始前の血液培養採取率とデ・エスカレーション実施率

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介入前 介入期間 介入後 p値*
抗菌薬開始前の血液培養採取数 n (%)
抗緑膿菌薬
抗MRSA薬
539/758 (71)
76/95 (80)
563/681 (83)
66/83 (80)
596/698 (85)
69/76 (91)
<0.001
0.072
デ・エスカレーション実施率 n (%)
抗緑膿菌薬
抗MRSA薬
33/61 (54)
7/12 (58)
62/81 (77)
16/16 (100)
52/71 (73)
10/10 (100)
0.038
0.019

*Cochran-Armitage検定
Uda A, et al. J Clin Med. 2022 Jan 23;11(3):566.

介入前後における臨床転帰

院内CDI発生率

院内CDI発生率

菌血症に伴う30日死亡率

菌血症に伴う30日死亡率

*Cochran-Armitage検定
Uda A, et al. J Clin Med. 2022 Jan 23;11(3):566.

03他職種の受け止めは?

矢野先生:2018年の診療報酬の改定において抗菌薬適正使用支援加算が新設されたことで、薬剤師1名の増員が可能となり、宇田先生が専従として4年半活躍してきました。この間、宇田先生は筆頭著者として多くの論文を公表しており1~8)、いずれにおいても薬剤師が介入することによる臨床的、経済的なインパクトが示されました。

現在、宇田先生はDI室の主任となり、抗菌薬だけでなくて全体的な医薬品適正使用のレギュレーションに関わることになります。院内では、感染症内科や感染制御部からも非常に評価されており、交代することはかなり残念がられていますが、後任を育ててもらおうと思っています。

04インフェクションコントロールドクター(ICD)としての日常業務

宇田先生:私は、感染制御部に配属となり、院内感染対策に携わっていく上で幅広い知識や専門性を身に付ける必要性を感じ、ICDの資格を取得しました。

日常的な活動としては、Big Gun Projectの症例カンファレンスは週1回ですので、他の曜日は、例えば、特定抗菌薬投与開始前の血液培養採取の有無に関する症例チェックや、コロナウイルス感染症の流行下では接触状況の確認や対応などを、適宜おこなっていました。病棟ラウンドも週1回おこないました。週ごとに行く病棟は決めて、チームで赴いて、医療現場の環境整備や消毒薬の使用状況などを随時確認していました。

感染制御部専従となってから取り組んだ活動として、職員のワクチン接種があります。主な流行性のウイルス性疾患として麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘が挙げられますが、これらはいずれも空気感染や飛沫感染で爆発的な感染拡大がみられ、重症病棟の患者さんに感染すると致死的であるとされています。現在、職員に対してコロナワクチン接種が推奨されていますが、当院では以前から、これら4つのウイルス性疾患については職員のワクチン接種を推奨してきました。

私が専従として着任した時点では、ワクチン接種率はさほど高くはありませんでした。その背景には、十分な免疫獲得の判定が複雑で、ワクチンの追加接種が必要な職員にアクセスすることが難しい状況がありました。そこで、各職員の抗体価などに関するシステムを作って、追加接種が必要な職員を明確にし、特に重症病棟の職員を中心に、ワクチンの接種を促す働きかけをおこないました。その結果、現在は職員全体でも90%以上の免疫獲得率になっており、そういった形で感染対策に貢献できたかなと考えています。

05臨床転帰へのインパクト

宇田先生:ASTの活動により、抗緑膿菌薬の使用量が減り、かつ6~7割程度であった特定抗菌薬開始前の血液培養採取率が、現在では9割まで改善しています。これによって、広域抗菌薬から、より狭いスペクトラムの最適な治療への変更が可能となったこともあり、CDI発生率が劇的に減少しました。また、菌血症による30日死亡が低下するなど、臨床転帰への影響は大きいと考えています。いかに臨床転機に貢献できるかというところは、薬剤師としてのやりがいが最も大きいところです。

ルーティンな仕事だけではなく、施設での問題点や足りない点を把握し、認識した上で、それをどう評価し、指標を確立して介入していくか。こうしたことを自ら立案して、それについて医師や看護師、検査技師などの他職種とディスカッションし、臨床的な転帰の改善に繋げていくというところが、一番大きいやりがいであると思います。

06院内啓発における工夫

宇田先生:例えば、特定抗菌薬開始前の血液培養が採取されていない場合、まず処方医に直接電話をしました。それに加え、各診療科の提出率を示したデータを会議で報告するなどもしました。「どの医師が提出できていないのか教えてほしい」という要望が診療科から出てくるようにもなり、それなりに影響はあったと思います。

それでも改善しない場合、病棟に赴いて病棟医長とお話をし、なお改善に繋がらない場合は、医局会などで説明しました。こうした取り組みが実って、特定抗菌薬開始前の血液培養採取率は2021年には90%を超えるまで改善しました。

他の取り組みについても同様で、データに基づいて実施状況を示し、かつ実施しないことによるデメリットを提示するといった教育活動が非常に大事だと思っています。

感染対策向上加算の要件として「抗菌薬の適正な使用を目的とした院内研修を設ける」ことがあり、当院職員必修の講習会を年2回、全職員が受けることとされています。そういった全体の活動に加えて、特にできていない診療科への直接訪問などの活動が必要です。

07薬剤の不安定供給問題への対応

宇田先生:セファゾリンの供給が不安定となった際、私は感染制御部の専従で、薬剤部と医師との橋渡しのかたちで調整をしていました。薬剤部門としては在庫確保が課題で、いかにしてセファゾリンを集めてくるかというところで、かなり尽力いただいたと思います。一方、医師には、今ある在庫をいかに慎重に使っていくかということで、基本的にはセファゾリンでしか治療できない黄色ブドウ球菌の菌血症のうち重症例に使用を絞り、感染症内科による許可制としました。

セファゾリンが使用できなくなったことで、より広域スペクトラムの抗菌薬に変更されると、副作用としてCDIの発生率が上昇したり、薬剤費用が上がったりといったデメリットもありますので、代替薬の提示もおこないました。これにより、セファゾリンが使用できなくなったことによって広域抗菌薬の使用が有意に増加したといった事態は生じませんでした。また、黄色ブドウ球菌の菌血症を、セファゾリン供給不安定の前後で評価をした結果においても、臨床転機の悪化は示されませんでしたので、セファゾリンの代替を使い分けながら、うまくコントロールできたのではないかと考えています。

現在、私はDI室において、供給不安のある薬剤の情報を随時入手し、そういったケースについては代替薬を提案したり、他のメーカーからの納品を検討するなどしています。

08地域での感染対策の体制強化

宇田先生:兵庫県との連携事業である当院独特の取り組みとして、エキスパートメディカルスタッフ育成プログラムがあります。これは感染制御だけではなく、さまざまな職種および専門分野にわたるプログラムです。兵庫県下の医療機関に勤める医療職を対象に、感染制御エキスパート薬剤師の場合は当院に1年のうち4週間来ていただいて、当院でおこなっている取り組みを一緒に取り組み、見学する、というものです。そうしたなかで自施設の課題を抽出し、それにどうアプローチしていくかを、最終日に発表いただきます。

この取り組みは10年以上前からおこなっており、毎年1~2人の病院薬剤師の参加を得ています。こうした取り組みを通じて、兵庫県全体としての感染対策や抗菌薬治療に対する活動がレベルアップしていけるのではないかと考えます。

09対象は病院薬剤師?薬局薬剤師は含まれる?

矢野先生:兵庫県の支援で実施しているエキスパートメディカルスタッフ育成事業には、感染、がん、妊婦・授乳婦、救急、高齢者などのプログラムがありますが、なかでも感染はとても人気があります。兵庫県内の病院から、感染に力を入れていきたいということで派遣いただき、毎年受け入れています。

県内であれば保険薬局薬剤師も受け入れ可能です。当院薬剤部としても、入院患者さんが退院後に外来受診され、また急性期に病院に来られるという中で、地域の薬局との連携は非常に重要だと思っています。私は2016年に神戸大学に異動してきたのですが、地域の保険薬局との連携事業ということで、その年から定期的に、がんを中心とした勉強会を継続してきました。内容としては講義にとどまらず、症例ベースのグループディスカッションもしており、ここ数年はコロナ禍の影響で、オンラインのかたちで継続しています。

また2021年には、保険薬剤師を対象として日本医療薬学会が地域薬学ケア専門薬剤師制度を立ち上げました。ジェネラルな専門薬剤師と、副領域ではがんがあり、病院でのカンファレンスに5年間、月3回以上参加することとされています。当院もその研修施設になっており、昨年5名の保険薬局薬剤師の方が登録され、現在、オンラインのカンファレンスに参加されています。ご自身の症例発表もしていただくというかたちで連携しているところです。

コロナ禍における保険薬局薬剤師向けの取り組みとして最も話題になったのは、コロナワクチン接種に際しての支援です。薬局ではこれまで注射のバイアルなどを扱ったことがなかったということで、兵庫県病院薬剤師会として研修などの形でサポートするといったことがありました。

10専門薬剤師を目指す方へ

矢野先生:薬剤師としてのジェネラルな業務を習得することなく、専門性だけを身につけても薬剤師として務まりませんので、最初の3~5年は幅広くさまざまな勉強をし、日本病院薬剤師会の日病薬病院薬学認定薬剤師で提唱される領域をカバーした上で、さらに専門性を目指していただきたいと思います。

加えて、薬剤師にも研究する力が必要です。感染の領域であれば、施設において何が問題となっているかを見つけ、その解決のためにすべきことを考えて行動に移し、その転帰を評価して、論文化や学会で発表していく。そういうことの積み重ねにより、日本の医療の質が向上していくのだと思います。また、臨床での取り組みがデータ化されることで、それが元になって診療報酬付与に繋がる可能性が出てきます。当院においても、診療報酬が加算されたことにより、病院としてもその取り組みに予算をつけることができ、スタッフの増員、ひいては取り組み強化に繋がったわけです。

「薬剤師が変われば医療が変わる」そういう気持ちで日々業務に取り組んでいただきたいと思います。

宇田先生:感染は細菌やウイルスなどの微生物が原因となって生じ、その因果関係は明確です。かつ、どの抗菌薬や抗ウイルス薬、消毒剤を使えば改善するかという点も明らかになっているという点で非常にクリアな領域であり、薬剤師として介入しやすい分野だと思っています。

専門薬剤師として、薬学的観点から自施設の問題点を把握し、取り組むことで、患者さんの利益に貢献できる、あるいは施設の費用負担を削減するなど経済的な貢献ができるようになると思います。ルーティンの仕事は非常に大事ですが、それにプラスして一定期間、目標を決めて介入し、その結果を報告することで、他施設へと取り組みを広げることが可能となります。こうした取り組みは、非常に大きなやりがいに繋がると思います。

(取材日:2022年12月7日 オンラインにて実施)

<参考文献>

  • 1) Uda A, et al. Sustained Improvements in Antimicrobial Therapy and Clinical Outcomes following a Pharmacist-Led Antimicrobial Stewardship Intervention: Uncontrolled Before-After Study. J Clin Med. 2022 Jan 23;11(3):566.
  • 2) 宇田篤史ら. Antimicrobial Stewardship Team専従薬剤師による抗菌薬適正使用への介入効果. 医療薬学. 2019;45(8):460-469.
  • 3) Uda A, et al. Efficacy of educational intervention on reducing the inappropriate use of oral third-generation cephalosporins. Infection. 2019 Dec;47(6):1037-1045.
  • 4) Uda A, et al. Antibiotic de-escalation therapy in patients with community-acquired nonbacteremic pneumococcal pneumonia. Int J Clin Pharm. 2019 Dec;41(6):1611-1617.
  • 5) Uda A, et al. How Does Antimicrobial Stewardship Affect Inappropriate Antibiotic Therapy in Urological Patients? Antibiotics (Basel). 2020 Feb 6;9(2):63.
  • 6) Uda A, et al. Risk Factors for the Acquisition of Enterococcus faecium Infection and Mortality in Patients with Enterococcal Bacteremia: A 5-Year Retrospective Analysis in a Tertiary Care University Hospital. Antibiotics (Basel). 2021 Jan 11;10(1):64.
  • 7) Uda A, et al. Impact of Cefazolin Shortage on Clinical Outcomes of Adult Patients with Bacteremia Caused by Methicillin-Susceptible Staphylococcus aureus in a Tertiary Care University Hospital. Antibiotics (Basel). 2021 Oct 14;10(10):1247.
  • 8) Uda A, et al. Effect of Antimicrobial Stewardship on Oral Quinolone Use and Resistance Patterns over 8 Years (2013-2020). Antibiotics (Basel). 2021 Nov 22;10(11):1426.