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医療・介護ニュース

「夏かぜ」ヘルパンギーナ、首都圏で流行本格化-東京で「警報基準」超過、感染予防の呼び掛けも

2019年08月02日 12:15

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 「夏かぜ」の代表的な疾患で、高熱や口腔内の水疱などを伴うヘルパンギーナの流行が首都圏で本格化している。7月22日から28日までの週の1医療機関当たりの患者報告数は、東京など4都県で軒並み増加した。東京都は1日、都が設定した「警報基準」を超えたと発表。患者の多くが小児であることを挙げ、家庭や保育所、幼稚園、学校などで感染予防策を徹底するよう呼び掛けている。【新井哉】

 この週の1医療機関当たりの患者報告数は、埼玉県で前週比約16%増の5.66人、東京都で約27%増の4.98人、神奈川県で約23%増の3.01人、千葉県で約5%増の2.41人となった。

 この週の患者報告数について、埼玉県は「1歳から3歳の報告が多く、全体の62%を占めている」と指摘。警報基準値(6.0人)を上回る保健所管内が相次いでおり、「南部(12.6人)、熊谷(9.38人)、さいたま市(8.11人)保健所管内からの報告が多い」と説明している。

 東京都の患者報告数は、2016年の流行以降で最も多くなっている。9保健所管内で警報基準値を上回っており、都の警報基準(警報レベルにある保健所の管内人口の合計が都全体の人口の30%を超えた場合)に達したという。感染予防策について、都は「こまめな手洗いや、咳やくしゃみをする時には口と鼻をティッシュ等でおおうなどの咳エチケットを心がけることが大切」としている。

 ヘルパンギーナは、高熱や口腔内の水疱・発赤を主症状とするウイルス性疾患で、乳幼児が罹患するケースが多い。2-7日の潜伏期間後、38度以上の発熱や口腔内に水疱が現れる。

 2-4日で熱が下がり、7日程度で治癒する。熱や口腔内の痛みで食事や水分を十分に取れず、脱水になるほか、熱性けいれんや髄膜炎、心筋炎といった合併症を生じる可能性がある。患者のせきや、つばなどに含まれるウイルスによって感染する。

出典:医療介護CBニュース