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医療・介護ニュース

診療所の新興感染症対策、モデル研修を実施-5月に事後検証を実施予定 日医

2024年03月27日 18:20

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 日本医師会の釜萢敏常任理事は27日の定例記者会見で、診療所での新興感染症に対する対策を強化するモデル研修を20日に実施したと報告した。新型コロナウイルス感染症に続く新興感染症の蔓延時を想定した初めての試み。【渕本稔】

 研修には、43の都道府県から指導的立場にある医師102人が受講した。受講者は事前に標準予防策やゾーニング、PCR検査のための検体採取などに関するe-ラーニングを受講。当日は、個人防護具(PPE)の着脱や手指衛生、検体採取などの適切な手順についての実技のほか、平時の手指消毒薬およびPPE設置場所の考え方、ゾーニングについての机上演習を行った。

 机上演習では、診療所の平面図を用いて人の動きを示しながら、適切なゾーン分けの方法を検討。多くの診療所では、マイナンバーカードを読み込むカードリーダーは1台しか設置しておらず、「発熱外来を想定した場合には、入り口近くに設置しなければゾーニングがうまくいかない」という指摘や、「カードリーダーの設置費用に対する補助はどうするのか」といった声も聞かれた。

 釜萢氏は今回の研修を振り返り、「今後新たに診療所や病院などを開設する場合は、こうした感染対策を踏まえた上で設備設計をしてもらうことが極めて重要であることを痛感した」と述べた。

 研修受講者には後日にアンケートを実施し、その内容を踏まえた事後検証を5月に開催する見込み。

出典:医療介護CBニュース