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医療・介護ニュース

精神保健相談支援、自治体間の格差ないよう整備を-「保健の軸」が必要、厚労省が報告書を公表

2023年09月28日 18:45

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 厚生労働省は、「市町村における精神保健に係る相談支援体制整備の推進に関する検討チーム」が取りまとめた報告書を公表した。市町村の精神保健相談支援体制について、当事者や家族、関係者らの声を聞きながら、「自治体間の格差が生じないように実際に整備を進めていくことが求められる」と記載している。【新井哉】

 メンタルヘルスの不調や精神疾患が誰もが経験し得る身近な問題・疾患となり、市町村における相談支援体制の整備が期待されていることなどを踏まえ、2月から9月まで、検討チームで議論を重ねてきた。

 報告書では、小規模な市町村では、保健師や精神保健福祉士、社会福祉士などの専門職が配置されていない部門で、住民から初回の相談を受けることが少なくないと指摘。このような場合、対応した事務職が住民との会話の中で何らかの違和感を覚えても、精神保健上の課題と気付かなかったり、支援が必要でも「どの部門の誰に相談したらよいのか」判断が付かず、適切な支援につながらなかったりすることがあるという。

 こうした精神保健の課題について、「住民に身近な全ての市町村で精神保健に関する相談支援を実施できる体制を整えていくことが求められる」と明記。体制整備を推進するため、「専門職のみならず様々な職員が精神保健に関わっているという意識や、全庁的に取り組む必要があるということの意識の醸成が重要である」と指摘している。

 また、相談を確実に適切な支援につなげ、医療も含めた課題を解決できるようにするため、保健師の確保や相談支援部門への配置を進めるなど「保健の軸」を作る必要性を挙げている。

出典:医療介護CBニュース