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医療・介護ニュース

ヘルパンギーナ 九州で流行の兆し-宮崎県で警報基準値を超過

2023年06月06日 15:40

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 「夏風邪」の代表的な疾患で、高熱や口腔内に水疱などを伴うヘルパンギーナが九州で流行の兆しを見せている。5月22日から28日までの1週間(第21週)の患者報告数は、佐賀を除く九州6県で前週を上回っており、宮崎県では今年初めて警報基準値を超えた。患者が増加傾向の自治体は、手洗いなど感染予防の徹底を求めている。【新井哉】

 第21週の小児科定点医療機関当たりの患者報告数は、宮崎県で前週比89%増の8.92人、長崎県で82%増の4.64人、佐賀県で18.8%減の4.48人、鹿児島県で66%増の3.47人、大分県で84%増の3.11人、熊本県で12.4%増の2人、福岡県で42%増の1.69人となった。

 警報基準値(6.0人)を上回った宮崎県の患者報告数は、例年の同時期の平均値の約11.6倍で、1-4歳が全体の約8割を占めているという。長崎県感染症発生動向調査速報(第21週)でも、多くの地区で前週より増加していることを取り上げ、「今後の動向に注意が必要」としている。

 ヘルパンギーナは、高熱や口腔内の水疱・発赤を主症状とするウイルス性疾患で、乳幼児が罹患するケースが多い。2-7日の潜伏期間後、38度以上の発熱や口腔内に水疱が現れる。

 2-4日で熱が下がり、7日程度で治癒する。熱や口腔内の痛みで食事や水分を十分に取れず、脱水になるほか、熱性けいれんや髄膜炎、心筋炎といった合併症を生じる可能性がある。患者のせきや、つばなどに含まれるウイルスによって感染する。

出典:医療介護CBニュース