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医療・介護ニュース

東京都が向こう10年の離島振興計画を公表-看護師・医師を安定確保の取り組みも

2023年06月02日 20:35

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 東京都総務局は、都離島振興計画(2023-32年度)を公表した。伊豆諸島では少子高齢化などによる人口減少が続いている。都によると、20年の人口は2万1532人と過去10年で14%減。40年には約1万4,000人と予想されている。移住定住環境の整備などを通じて人口減少に歯止めをかける考えだ。計画の中では、医療従事者確保の支援体制を充実させるなど医療・保健や福祉・介護サービスでの今後の取り組みを盛り込んでいる。【新井哉】

 計画では、伊豆諸島全域の人口10万人当たりの医師数は98.5人(20年)で「東京都全域の325.6人と比べて少ない状況にある」と説明。看護師数についても、人口10万人当たり438.7人で、都全域(792.6人)と比べて少ないという。

 その理由として、交代要員の確保が難しく「1人当たりの負担が大きい」と指摘。また、本土と比べて勤務環境が整っていないため、「依然として、医療従事者の確保は厳しい状況」との見解を示している。

 このような課題を解決するため、▽へき地勤務医師等確保事業▽地域医療支援ドクター事業▽へき地医療支援機構無料職業紹介事業-などの制度により、医療従事者を確保する方向性を提示。「医療従事者等定着支援のための研修や各種イベントへの参加によるへき地保健医療に関する普及啓発等を行っていく」としている。

 福祉・介護サービスについても、介護人材が慢性的に不足し、確保が困難であるため、介護職員の宿舎借り上げや資格取得支援など、人材の確保・定着・育成の取り組みを行う方針だ。

出典:医療介護CBニュース